「新しい歴史教科書をつくる会」による歴史教科書のオルタナティブ(代替案)として、日中韓の教育者たちが3年をかけて編纂してきた歴史の副教材が26日に完成した。タイトルは3国共通で『未来をひらく歴史』という。 「日本と中国・韓国の歴史認識の溝をうめ、信頼と友好に基づいた対話の前提をつくる」(日中韓3国共通歴史教材委員会)ことを望んで作られたこの本の初版は2万部。通常、こうした性格の本の初版は2,000部から5,000部程度と言われるだけに、できるだけ広めたいとする関係者の意気込みが伝わってくる。 日本側の委員の1人である都留文科大学の笠原十九司教授は「ナショナリズムが一番やっかいでした」と、第6次原稿が作られるまでに検討を重ねた過程を振り返る。「日本にもナショナリズムというものはありますが、中国、韓国では特に民族意識が強くてですね、その認識をどう乗り越えるかに悩まされました」 確かに韓国の歴史教科書などは、客観的な事実を記述しようとする日本の教科書に比べ、民族を強く意識した記述が多い。共同作業の過程でも、特に日中の間では細かい記述をめぐっての衝突も、少なからずあったという。「でも、ぶつかったからと言って背を向けるのではなく、そこから前を見ることが大切」(笠原十九司教授)と、ともに歩み寄る姿勢を保つことを共通点にして、作業を続けてきた。 こうして完成した本は、まず韓国で25日、記者たちにお披露目された。日本と中国からも委員会のメンバーが出席し、「ほとんどすべての大手メディアが取材に来ていたのではないか」という程の注目を集める中、中国のメンバーが日本側に感謝の言葉を述べたという。 「記者会見の席でですね、中国側のメンバーが、『今回の作業では、日本側が一番苦労したのではないかと思う。その努力について感謝したい』と言ってくれましてね」と、連絡調整役を担った俵義文氏(子どもと教科書全国ネット21事務局長)は目を細める。 韓国では、盧武鉉大統領も記者会見の場にビデオメッセージを寄せるなど、『未来をひらく歴史』に寄せる期待と関心は非常に高いという。諸般の事情で中国での発刊は6月上旬になる予定だが、「従軍慰安婦」「南京大虐殺」「創氏改名」など、日本では争点となる事項についても、かなり明確な記述がなされており、日本での注目度が気になるところだ。 ◇ ◇ ◇
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