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山根一眞の『The環業革命』

次世代の明かりが照らす世界[後編]

政府に求められるリーダーシップ
蛍光灯化超えたLED化の流れを

CO2排出量の増大に“無神経な”ビル
IDECは青色LEDを光源に、好みの色を創り出す技術を持つ
IDECは青色LEDを光源に、好みの色を創り出す技術を持つ
山根一眞の『The環業革命』写真館へ

 新しい高層多機能ビルが続々と建設されているが、照明による先進的なCO2削減努力が行われたという話はあまり聞かない。既存のビルで、全館の照明をLEDにリニューアルするという計画も耳にしない。

 だが、LED照明は、すでに実用化の時代に入っている。松下電工のLED照明カタログ『EVERLEDS』(2008年第5版)には、オフィス用を中心としたLED照明器具が満載で、ページ数は186ページにのぼる。初期の設備投資額は大きいが、10年前後で元がとれることをIDEC SALES OFFICEは実証している。館内照明を蛍光灯照明ですませているビルは、遠からず「原油を浪費し、CO2排出量の増大に無神経なビル」と、評価されるようになるだろう。

 蛍光灯照明を使い続けることは、電気料金の大幅な値上げに伴う負担増となり、テナント料金の上昇をもたらす。IDECの試算では、「グラントウキョウ ツインタワー」の蛍光灯照明による電気料金は年間5億3638万円だが、LED照明なら3億3715万円ですむ。その差額は約2億円、約37%のコスト削減だ。初期投資額が大きいとはいえ、これほどのコスト削減は、他の手段ではそう簡単にできるものではない。

 LED化が普及していけばLEDの技術開発も拍車がかかり、LED照明の導入コストも急減に低下していく。となれば、10年を待たずにコスト削減の効果がもたらされ、テナントの負担は軽減し、家主側の利益も増大するはずなのだが。

 IDECは、独自開発の「全館LED照明システム」で開発した技術を応用し、今後のビジネスの大きな柱にすると考えているようだ。すでに松下電工や東芝などの照明器具メーカーは、多くのLED照明を販売しているが、IDECはそれら照明器具市場に参入するのだろうか?

 「そうではないんです。IDECは、あくまでも制御コンポーネントのメーカーですから、照明器具の販売を行うつもりは、まったくありません。独自に開発した『LEDモジュール』や『オプティカルモジュール』『電源モジュール』などを照明器具メーカーなどに提供していきたいと考えています」(藤田さん)
 

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この記事の目次
次世代の明かりが照らす世界[後編]
政府に求められるリーダーシップ
蛍光灯化超えたLED化の流れを

CO2削減技術 省エネルギー

エネルギー消費 建築物

CSR対策 温暖化防止費用

電気事業連合会