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コラム

山根一眞の『The環業革命』

次世代の明かりが照らす世界[後編]

政府に求められるリーダーシップ
蛍光灯化超えたLED化の流れを

グラントウキョウなら年間3860tのCO2削減に

 「グラントウキョウ」は東京駅八重洲口の再開発事業で、2007年11月に第1期工事が完了し42階建てのサウスタワーが開業している。これまで東京駅八重洲口にそびえていた百貨店、大丸のビルは、東京湾から皇居方面へ吹き込む海風を遮っており、都心部のヒートアイランドの原因の一つと指摘されていた。そこで東京駅の上空を海風が吹き抜けるよう大きな空間をあけ、両脇にツインタワービルを建設することになった「エコ計画」でもある。

 この2つの高層ビルは、頂上に設置した投光照明装置(ライト・ビーコン)とLEDによる光の演出が売り物で「光の塔」を自称する。ドイツの建築デザイナー、ヘルムート・ヤーン氏による設計という。「光」が売りものなので、当然、「全館LED照明」による省エネ、CO2の大幅削減努力が行われているかと思ったが、エコ大国ドイツならではの先進エコ思想は、館内照明には活かされてはいないようだ。

東京駅八重洲口に建設中のグラントウキョウ・ツインタワーで全館LED照明にした場合の効果
東京駅八重洲口に建設中のグラントウキョウ・ツインタワーで全館LED照明にした場合の効果
山根一眞の『The環業革命』写真館へ

 そこでIDECが作成した試算を見ると、「グラントウキョウ」の総床面積は、IDEC SALES OFFICEのおよそ254倍。ホテルもあり、1日当たりの照明点灯時間はIDEC SALES OFFICEと比べるとはるかに長いはずだが、試算はIDEC SALES OFFICEと同じと、控えめで試算している。

 まず、蛍光灯照明の場合、年間総消費電力は実に2438万1000kWh、原油換算で6144キロリットルを消費する。CO2排出量は1万386tだ。では、全館をLED照明にすればどうなるか。総電力消費量は905万6000kWh減り、原油換算で2281キロリットル削減でき、CO2排出量は3858t削減できる。

 この試算には、本当に驚いた。
 

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この記事の目次
次世代の明かりが照らす世界[後編]
政府に求められるリーダーシップ
蛍光灯化超えたLED化の流れを

CO2削減技術 省エネルギー

エネルギー消費 建築物

CSR対策 温暖化防止費用

電気事業連合会