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コラム

山根一眞の『The環業革命』

次世代の明かりが照らす世界[後編]

政府に求められるリーダーシップ
蛍光灯化超えたLED化の流れを

2008年7月17日(木)公開
初期投資額の回収に13年

 「LED照明」による二酸化炭素(CO2)削減効果はきわめて大きいが、蛍光灯と比べると初期コストが高いという難題があり、普及の障害になっている。だが、それは事実だろうか。IDEC執行役員の藤田俊弘さんは、「蛍光灯とLEDのコスト比較のグラフ」を見せてくれた。

 まず初期投資額は、蛍光灯なら約1500万円前後ですむが、LED照明では3500万円前後かかったようだ。しかし、蛍光灯はLEDと比べると寿命が短く交換頻度が高いため、維持費は年月を経るにしたがって大きくなる。また、同じ明るさで比較すると、LEDは蛍光灯と比べてはるかに消費電力が小さい。これは、大きな電気料金の差になる。原油高騰で電気料金の値上げがアナウンスされたばかりだけに、電気料金の負担減は大きな魅力だ。

蛍光灯照明との感覚的な違いなど、実証試験の実施も大きな目的
蛍光灯照明との感覚的な違いなど、実証試験の実施も大きな目的
山根一眞の『The環業革命』写真館へ

 これらの初期投資額と維持費、電気料金の累積額でLEDが蛍光灯を下回るのは、施工から13年目という試算になる。

 「13年もかかるのか」

と思うが、重要なのはCO2の削減量だ。これは当然ながら初年度から差がつき、20年後には、蛍光灯と比べて累積で540tもCO2が削減される計算だ。

 IDEC SALES OFFICEは2階建ての小さなビルだが、大規模ビルでは、どれくらい有利になるのだろうか? 藤田さんが示したのは、「グラントウキョウ ツインタワー」を全館LED化した場合の、床面積を基準にした試算グラフだった。
 

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この記事の目次
次世代の明かりが照らす世界[後編]
政府に求められるリーダーシップ
蛍光灯化超えたLED化の流れを

CO2削減技術 省エネルギー

エネルギー消費 建築物

CSR対策 温暖化防止費用

電気事業連合会