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コラム

山根一眞の『The環業革命』

次世代の明かりが照らす世界[中編]

全館LED照明化した
IDECの狙いと勝算

作業効率の向上も実用化への課題

 オフィスの天井のLED照明器具を見ると、「ロ」型の照明器具にぐるりと配置されたLEDの発光源は、「白色」と少しオレンジ色を帯びた「温白色(ウォームホワイト色)」が市松模様のように交互にレイアウトされており、「市松照明」と呼んでいる。蛍光灯でも最近は電球色のものが増えているが、このLED照明器具は2色混合の光で落ち着きのあるオフィス環境を実現しているようだ。

 LED照明装置の構成はちょっとややこしく、わかりにくい。白熱電球や蛍光灯のように発光源を直接1〜2個をセットすればいいというものではないからだ。

 まず、大元の発光源であるLEDチップはきわめて小さく、1個では明るさが十分ではない。このため、いくつかを組み合わせる必要がある。これは、LED懐中電灯を見ればよくわかる。今回採用されたIDECサンシャインシリーズを例にとると、数個のLEDチップを並べてひとつの「LEDモジュール」としている。

電球色から昼光色を高精度で自由に組み合わせることができるように
電球色から昼光色を高精度で自由に組み合わせることができるように
山根一眞の『The環業革命』写真館へ

 また、この「LEDモジュール」そのままでは、「色温度」はいずれも同じになるため、「色温度」を望みのものに変換する仕掛けがある。それが「オプティカルモジュール」だ。この「色仕掛け」によって、「白色」のほか「電球色」に相当する「温白色」を実現している。ちなみにIDECでは、青色LEDだけを発光源に、制御盤のパネルをあらゆる色に光らせる光波長の変換技術「ラムダコンバーター」を手にしている。これが「オプティカルモジュール」に反映されている。

 LED照明器具には、この「LEDモジュール」と「オプティカルモジュール」をセットして組み込み配線をしていることになる。

 設置した照明器具は、「LEDモジュール」20個を「ロ」型に配した「天井用」、10個を細長く配した「×2ライン」、そして6個を円形におさめた「ダウンライト」の「ガーデンライト」など7種だ。

 「全館で使用した『LEDモジュール』の数は1万1000個です。これだけの数のパーツをデザインが異なる照明器具に取り付け、配線するのは大変な作業です。その作業効率を上げることも大きな課題でした」(藤田さん)
 

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