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山根一眞の『The環業革命』

次世代の明かりが照らす世界[前編]

輝き増すLEDの未来
白熱電球の時代は終焉へ

次世代光源への「失敗」と「期待」

 蛍光灯では、バッキンガム宮殿に一歩先を越されたが、日本は蛍光灯のさらに次の技術、LED、そして有機ELを手にしている(有機ELの世界的権威である山形大学の城戸淳二教授と『日本経済新聞』で対談した際、城戸教授は「有機ELは家庭などの照明を目指している」と語っていた)。

 日本がこれら次世代発光体の技術を飛躍的に進化させ、低価格での大量生産ノウハウを手にすれば、全世界の二酸化炭素の排出削減という貢献が実現する。日本がその唯一の供給源になることで、大型薄型テレビどころではない好況がもたらされるはずだ。

ウェブなどで「半導体の明かりに」と訴えてきたが、理想通りには進まない
ウェブなどで「半導体の明かりに」と訴えてきたが、理想通りには進まない
山根一眞の『The環業革命』写真館へ

 山根事務所のウェブサイトでは、トップページで長くそれを訴え続けてきた。国が白熱電球廃止と次世代光源への転換を決断し、次世代光源の技術開発と製品普及のために格段の予算を投じることで、やがては空前の生産による税収も得られるはず……。

 もっとも、次世代光源を家庭内の照明にと訴えたものの、現実は、「使えるモノ」がまだなかった。2000年に自宅を新築したが、全室をLED照明にしたかった。秋葉原の電気街ではすでに白色LEDが1個380円で売られていたため、ある照明工房にオリジナルの「LED照明」の製作を依頼した。手にした初の「LED照明器具」にはLEDを80個埋め込んだが、夜、天井にとりつけたそれを点灯しても、ロウソクの火程度の明るさしか得られず、ちょっとガッカリした。電球型のモノも試作してもらったが、懐中電灯程度の明るさにすぎなかった。それでも、この2点のLED照明器具には約8万円がかかった。

 このLED照明器具は直流(DC)12Vで点灯するため、災害時などの非常灯として活用することにした。屋根上に載せたソーラーパネルで得た電力で常時充電している大型の自動車用バッテリーのDC12Vの出力を屋内配線し、LED照明も点灯するのである。災害の停電時にはこれで約400時間の照明が確保できる。また、DC12Vのコンセントは各部屋にも設置し、将来のLED照明の進化に期待することにした。
 

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