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【宮城】ナノバブルで稲すくすく

2008年8月8日

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写真ナノバブルを使った水田を見るREO研究所の千葉金夫さん(右)と明治大学の玉置雅彦教授(左)=東松島市矢本の実験田で

 超微小気泡「ナノバブル」の技術開発をしているREO研究所(東松島市)が、ナノバブルを稲作に応用したところ、雑草がほとんど生えず、イネの発育も盛んになっていることがわかった。まだ実験の途中だが、実用化できれば、有機農業への強力な助っ人になりそうだ。

 同研究所は、ナノバブルを農業・漁業や医療に応用する研究を、独立行政法人産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などと進めている。ナノバブル以外でも、オゾンを水産品や水産加工品の殺菌・消毒などに利用、鮮度を保ったりウイルスを不活性化させたりするなどの成果をあげてきた。

 実験では、東松島市矢本の約4アールの実験水田にひとめぼれの苗を植え、用水路の脇に設置したナノバブルの発生装置から窒素を含んだナノバブル水を引き込み、イネの発育などを調べている。

 ナノバブルを使った区画は、使わない区画に比べてイネの茎の数が多かったり、根が深かったりしているうえ、農薬を散布していない区画でも雑草がほとんどなく、ドジョウやカブトエビなども通常の有機水田よりも多く発生しているという。

 同研究所と協力して水田を調査している明治大農学部の玉置雅彦教授は「まるで除草剤をまいた水田のように、イネだけが選択的に成長しているのが不思議だ」と語る。今後について、「発育もいいので収穫が楽しみ。ナノバブルがどういう役割を果たしているのかメカニズムを解明していきたい」と話す。

 同研究所の千葉金夫・研究開発室長は「窒素のナノバブルが土壌の改良に役立っていると思う。雑草が生えないので有機農法には特に有効だろう。実用化を早め、ナノバブル米をこの地域の特産にしたい」と意気込んでいる。

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