【カシュガル=樫山晃生】「テロと分かり、怖くなった」。ウイグル族の分離独立派のテロと見られる警官襲撃事件から一夜明けた5日午前、事件を目撃した観光客が発生当時の生々しい状況を朝日新聞記者に語った。
新疆の観光ツアーに参加していた日本人客は4日午前、現場近くのホテルで目撃した。最初は外から行進のようなかけ声が聞こえていたが、「突然ぴたりとやんで、爆発音が聞こえた」。窓の外を見ると、約20人が倒れていた。すぐに緑色の制服を着た人が集まり、こん棒のようなもので1人を殴りつけていた。
その後、再び小さな爆発音があり、トラックらしきものから煙が上がった。やがて青い服を着た警官のような人が死亡した人を別のトラックに積んで去っていったという。「最初は訓練かなと思っていたが、血の跡が見え、怖くなった」
発生から約1時間後には、7、8人の警官がホテルの部屋に入ってきて、観光客のパスポートやカメラをチェック。事件を撮影した映像は消去されてしまったという。
ポーランド人の観光客も「トラックが警官の列につっこみ、爆発があった。その後、刀を持った2人の男が(警官に)襲いかかった。本当に恐ろしい」と話した。