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厳戒北京、警備に140万人 出稼ぎ者100万人は帰郷(2/4ページ)

2008年8月4日3時1分

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写真四川大地震のため延期されていた聖火リレーが、四川省広安市のトウ小平(トウは登におおざと)生家陳列館前をスタートした。第1走者は大地震の救援活動で「英雄模範」となった蒋敏さん=3日午前、樫山晃生撮影

 「北京でのテロ危険度は最高レベルに達し、完全に防ぐのは困難な状況になった」

 市公安局の責任者が7月上旬、胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席と治安担当の周永康(チョウ・ヨンカン)・共産党政治局常務委員に伝えた。15日間に1度、治安状況の分析報告を上げている。これを受け幹部職員に「できる限り繁華街に近寄らず、公共交通機関を利用しないように」という内部通達が出された。

 3月、新疆ウイグル自治区ウルムチ発の航空機の爆破を狙ったテロ未遂事件が起きた。逮捕されたウイグル族の女(19)の関連先から押収したパソコンのデータから、メーン会場の国家体育場(愛称・鳥の巣)や新疆と上海とを結ぶ天然ガスのパイプラインなどへのテロを示唆する文書が見つかったという。

 日本のある治安当局者は、中国政府関係者から「サミットの警備について教えてほしい」と請われた。6月ごろから中国の治安関係者が頻繁に訪日、潜伏するウイグル独立運動組織「東トルキスタン・イスラム運動」の関係者や資金源について調査を進めた。この当局者は「中国はビザなし渡航ができる日本からのテロリストの入国を警戒している」と指摘する。

 8日の開会式の観客には、申し込みの銀行口座や身分証明書などから、職業、犯罪歴を調べたうえで入場券を販売した。だが7月末にあった市公安局の内部会議では、自戒を込めてこんな言葉が引用された。「虎も居眠りすることがある」。どんなに強い者にも隙(すき)があるという意味だ。

 北京の緊張は頂点に達している。7年前の開催決定時に数万人が天安門広場で歓声を上げた、あの時の高揚感はない。

     ◇

 北京随一の繁華街、王府井の近くの路地にある伝統的な家屋、四合院(しごういん)の門。「公安省陳情受付所」と書かれた看板がかかっている。

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