中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、ギョーザを製造した「天洋食品」(中国・河北省石家荘市)が事件後に回収したギョーザが中国国内で流通し、食べた中国人が有機リン系殺虫剤「メタミドホス」による中毒を6月中旬に起こしていたことが分かった。日本と同様の中毒が起きたことで、事件のギョーザも中国国内でメタミドホスが混入した可能性が強まった。
関係筋によると、中国側は7月の北海道洞爺湖サミット前に外交ルートで日本政府に発生を伝えた。ギョーザは日本での事件後に天洋食品が回収したもので、流通経緯や中毒症状の程度などは不明。
事件では、昨年12月から今年1月にかけて千葉、兵庫両県の3家族計10人が、輸入された天洋食品製造のギョーザを食べて中毒被害に遭った。日本の警察当局は「日本国内での混入の可能性は低い」としているが、中国の警察当局は「中国国内での混入の可能性は極めて低い」との見方で、見解が異なっている。
福田康夫首相は6日、広島市内のホテルで記者会見し、「わが国の捜査当局と情報交換している状況だ。どういう状況か今申し上げるわけにはいかない」と述べた。【塙和也】
毎日新聞 2008年8月6日 東京夕刊