今、イスラエルの人権団体のある活動が注目されています。この団体はパレスチナ人に100台のカメラを渡すなどして、相次ぐイスラエルの暴力を映像で告発し続けています。
目隠しされたパレスチナ人と、銃を構えるイスラエル兵。これは、イスラエルが占領を続けるヨルダン川西岸地区で、イスラエル兵がパレスチナ人に至近距離からゴム弾を発射する瞬間をとらえた映像です。
6月にはユダヤ人入植者によるパレスチナ人への暴行が発覚したばかり。次々と明るみに出るこうした映像は、みな、被害を受けた側のパレスチナ人が撮影したといいます。
それを可能にしたのはある団体の試みでした。「ベツセレム」と呼ばれる人権保護団体なのですが、この団体、今100台ものカメラをパレスチナ人の人々に渡して様々な告発をしているのです。
「ヨルダン川西岸や、時にはガザのパレスチナ人にカメラを渡しています。彼らはできる限り撮影をしています」(人権保護団体「ベツセレム」サリト・ミハエル氏)
そして「ベツセレム」は、今西岸地区全域にカメラによる監視体制を敷くよう努力しているといいます。
「(イスラエル兵の映像は)若いパレスチナ人女性が撮りました。彼女の弟からカメラを借りたのです。こうした関係を生かし、西岸のすべてを監視しようとしています」(人権保護団体「ベツセレム」サリト・ミハエル氏)
映像を重くみたイスラエル軍が内部調査を始めるなど、「ベツセレム」の活動が一定の成果をあげる中、100台のカメラが終わりをみせない暴力を止めることができるのか。その活動が注目されています。(05日09:47)