【愛知】豊田市が自殺対策を強化 被雇用者では全国最多2008年7月8日 会社などで働く人の自殺者が警察署別で豊田署管内が全国最多となるなど、自殺者の増加が目立つことから、豊田市は防止に向けた対策に取り組む。 学者や医師、NPOなどでつくるプロジェクトチームが公表した「自殺実態白書2008」によると、2004−06年の職業別で「被雇用者」の自殺者は、豊田署管内(一部地区を除く豊田市と三好町)が93人と、警察署別で全国で最も多かった。 市が人口動態統計を基にまとめた自殺者数調べでも、2006年は74人を数え、1989年のほぼ2倍と、全国平均(1・4倍)を大きく上回るペースで増えている。交通事故死の20人と比べて4倍近いが、詳しい分析はこれまで行われてこなかった。 市は白書について「市はもともと労働者が多い上、自殺率とも異なり、単純に多いと言い切れない」と断りつつ「貴重な資料になる」と評価する。市は年内に医療、福祉関係者、市教委などと自殺予防対策会議を設置する予定だったが、白書を受けて企業関係者にも参加を呼び掛けることを検討。市独自の啓発パンフレットの配布や出前講座を通じ、「対策を強めたい」としている。 (小笠原寛明)
|