松本市で予定された駐日韓国大使の講演と、東御市の日韓中学生の相互訪問が中止された。竹島問題のごたごたの余波という。講演中止は外交ゲームの一環だからやむをえない。
しかし市民レベルの交流に水を差されたのは残念だ。しかも北朝鮮問題を巡り関係国が連携を強めるべき時期に、なぜ日本は竹島問題を持ち出したのか。
冷静な議論の積み上げなくして領土問題の解決はない。官僚や政治家がもてあそぶ拙劣な「外交戦略」は、実は問題解決の萌芽(ほうが)となる草の根の交流活動を台無しにする。(龍)
毎日新聞 2008年8月1日 地方版