現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事

早くもクラゲにご用心 被害続出、閉鎖の海水浴場も(2/3ページ)

2008年8月1日15時0分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真クラゲにさされて応急処置を受ける人たち=31日午後3時ごろ、神奈川県藤沢市の江の島東浜海水浴場

写真アンドンクラゲ=新江ノ島水族館提供

写真砂浜にはクラゲ発生を知らせる看板が等間隔に立てられ、だれもいない浜子海水浴場=31日、青森県平内町

 青森県平内町の浜子海水浴場。管理する同町産業振興課の本堂勇夫さん(58)によると、7月23日、直径30センチほどのタモ網を海中で一振りしたところ、50匹を超えるカギノテクラゲが入っていた。19日に海開きをしてわずか1週間弱。しかし、昨年も同じクラゲに刺された3人が病院で手当てを受けたことから「これじゃ危なくてまいね(だめだ)」と閉鎖を決めた。

 この海水浴場にはカギノテクラゲが集まる海藻のアマモが繁殖している。浅虫水族館(青森市)の神正人・飼育展示部長は、今年の陸奥湾は「なぎ」の状態が多く、アマモが海水浴場内から沖に流れていかないために例年以上にクラゲが集中しているとみる。

 効果的な対策はなく、今シーズンはこのまま営業を終える可能性が高い。本堂さんは「アマモはカレイなどの魚のすみかで、町の漁業も考えると簡単には悪者にできない。何とか対策を考え出したい」と頭を痛める。

      ◇

 クラゲはなぜ大量に発生するのか。

 クラゲ研究の多くの著書がある安田徹さん(水産学博士)によると、夏の高温、空梅雨、日照りが大量発生を招く好条件となる。

 クラゲは成長の過程で海藻や岩に定着している時期がある。この時期に日照りが強いと、暗い所に密集し、過密状態を避けて早く浮遊しようとして成長が促される。こうした条件が重なれば、刺される事故も多くなる。

 日本近海には200〜250種類のクラゲがいる。活動は水温20〜30度くらいで最も活発になるため、8月から9月半ばごろまでは、もとから常に危険な時期で、被害は「お盆以後」とは限らないという。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内