クラゲにさされて応急処置を受ける人たち=31日午後3時ごろ、神奈川県藤沢市の江の島東浜海水浴場
アンドンクラゲ=新江ノ島水族館提供
砂浜にはクラゲ発生を知らせる看板が等間隔に立てられ、だれもいない浜子海水浴場=31日、青森県平内町
夏真っ盛りの8月。大勢の人でにぎわう各地の海水浴場でクラゲ被害が相次いでいる。有効な対策を打てずに営業をやめる海水浴場も。「お盆をすぎたらクラゲが出る」というのは昔からの言い伝えだが、専門家はクラゲの活動が活発になるこの時期からの警戒を呼びかける。
神奈川県藤沢市の江の島東側から鎌倉市境にかけて広がる江の島東浜海水浴場。
「海に入ってすぐ、ヒリヒリして刺されたと気づいた。クラゲは見えなかった」
横浜市から来た女子大学生(22)は7月31日、クラゲに襲われた。一緒に訪れた2人のうち1人も被害に。海水浴場にある江の島海水浴場営業組合の救護所にはこの日、朝から刺されたと訴える人が次々に訪れ、午後3時までに50人を超えた。
東京都から来た専門学校の女子学生(20)は「22日にもこのビーチで刺された」。救護所によると、刺されたと訴える人が3連休の最終日だった7月21日に150人と急増。3万人を超す人出となった同月27日には280人以上を数えたという。多くはアンドンクラゲによる被害とみられている。同じ日に2度、3度と刺されるケースも目立つという。
山口県長門市の二つの海水浴場でも7月27日午後にクラゲ被害が相次いだ。同市消防本部によると、24人が救急車で搬送されたり自力で病院に行ったりし、このうち13人が入院。「これだけたくさんの人が被害にあったのは、ここ数年聞いたことがない」(同本部)。市が28日に調査したところ、海水浴場の一つからは、普段は近海にいないハナガサクラゲが確認された。
大きな被害を見越して、営業をやめた海水浴場もある。