空前の高値が更新されているガソリン平均価格の高騰過程で、同一地域のガソリンスタンドで価格が一斉に引き上げられるなど、不自然な値動きをしていることが分かった。「組合から値幅の指示があった」と、カルテルの存在をほのめかす証言も。1日からさらに値上げが予想されるなかで、公正取引委員会は違法行為が各地で横行していないか監視している。
ガソリンスタンド(GS)の多くは、元売りと売買契約を交わす卸売会社からガソリンを購入し、販売している。
最初に不自然な値動きがみられたのは、暫定税率復活後に各元売り大手が相次いで値上げを表明、店頭価格への影響が注目されていた6月初めだ。
一気に店頭価格の値上げが進み、全国平均も170円の大台に。公取委には「カルテルではないか」と十数件の通報があったという。通常国会でも民主党国会議員から「カルテルがあったのでは」と質問が出たほどだ。
現場からはこんな「証言」も相次いだ。横浜市のあるGSは6月1日にレギュラーガソリンを1リットルあたり17円値上げして176円に。系列の卸売会社の本社から「『各社、この程度の値上げだから』と指示を受けた」と担当者。
同市内の別系列のGSは14円上げて174円に。こちらは、同じ組合に加盟する近隣GSから「組合の指示」として伝えられた、と証言する。 その組合の関係者は「各店の経営に介入するようなことはしない」と関与を否定している。
長野県からも、同様の話が漏れ伝わってきた。長野市のGSは系列の卸売会社側からの指示で13円の値上げ。別系列のGSも「上から指示があった」と口をそろえる。