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「辞退も出場も地獄」…桐生一、地元に賛否の声
野球部員が女子高生にわいせつ行為をしたとして逮捕された私立桐生第一高校(高橋昇校長)が31日、第90回全国高校野球選手権大会の出場を辞退する考えがないと表明したことを受け、群馬県内の関係者には賛否両論が広がった。記者会見を開いた高橋校長らは、部員がレギュラーとして県予選に出場していなかったためと強調。だが、地元からは「辞退もやむを得ない」と同校の判断を疑問視する声も出た。
同校には、31日午前6時半ごろ、部員逮捕の一報が入った。午前10時すぎには、同校職員らが沈痛な表情で「祝・甲子園出場」と書かれた垂れ幕を校舎から下ろすなど、対応に追われた。
高橋校長は記者会見で、辞退しない理由として、部員が県予選に出場しておらず、甲子園出場メンバーに入っていないと強調。部員の心情については「レギュラー選手ではなく、気のゆるみがあったのではないか」と推察した。
同校では7月22日、1年生の男子生徒が元同級生らに殴られて死亡する事件が発生したばかり。相次ぐ不祥事に「学校の教育が不足していた。健全な生徒の育成に努めたい」と謝罪した。
また、日本高校野球連盟が1日の全国理事会で出場を認める最終処置を下した場合でも、「選手は厳しい非難を受けると思う」と述べた。
同校は1日が登校日となっており、各担任を通して事情を説明する。
一方、桐生市末広町商店街振興組合事務局長の女性(64)は「3年間頑張ってきた選手の苦労を思うと、辞退してほしくない。だが、野球部員がわいせつ行為をした社会的影響を考えれば辞退もやむを得ない。それだけに腹立たしい」と声を詰まらせた。
OBの60歳代男性は「今回の事件は非常に残念だ。辞退も地獄、出場も地獄だ」と話した。