湯気のむこう

ＮＨＫアナウンサーが好きだ。
中でも、夜のニュース７担当になった、武田真一さんが好きだ。

以前に朝の８時半からのニュースで、朝ドラの余韻が残る雰囲気を醸し出しつつ、
ニュースを読み始める武田さんに好感を持った。

昨年、見なくなったなあ、と思っていたら、沖縄に赴任してらしたのね。
でも良かった、帰ってらして・・。

落ち着いた話しぶり、間の取り方は、ＮＨＫアナウンサーさんは、ぴか一だ。
中でも、武田さんは頭の形のよさなのか、声の反響が良い！と一人悦にいってます。

黒田あゆみさんのＭＣのスタジオパークも良かったのに。
話の展開の仕方が邪魔せず、お上手でした。

武田さんは独身かなあ？・・熊本出身って書いてあるけど、堀おばちゃんを知ってるかなあ・・。

堀おばちゃんは、御家族を作らなかった。独身。

二つ上の私の姉は苦手だったようで、私によくかまってくれた。
色々書き出したら、キリがないが、一つだけ今でも謎がある。

私の結納の時だが、お料理をお出ししている時に、見事、一人膳をひっくり返してしまった。
某所のお料理が、結納の目録に、お刺身が飛んだ。
私は可笑しくて笑い転げたが、縁起が悪い！と怒った母はお冠だった。

とっつあんも、堀おばちゃんと妙に気が合って「堀さん、堀さん」と呼んでいた。

その堀おばちゃんが何を思ったか、ぶちまけられた料理の後片付けで、皆がワヤワヤしている席で、
「お祝いに一曲！」と突然叫んだ。

皆、えっ？ぶちまけた本人が片付けだろう？という視線の中、母だけはうろたえて、止めようとしていたが遅かった。

唄いだした・・。

「おどまーぼんぎりぼんぎりーぼんからさーきゃあおーらんどー・・」れっきとした日本語だ。

五木の子守唄だが、さみしく、悲しい唄である。

祝いの席で、別れの、人を羨む歌を歌ったのだ。
私と別れ、自分の寂しさから、その歌を唄ったのか？
小学校入学前に家に来たおばちゃんなので、子守唄を歌って貰った訳でもない。
私の想い出の曲という訳ではない。

まあ、ぶちまけられたお料理の様な結婚生活の暗示は正解・・。
ただあの歌を、なぜあの時に唄ったのか、私は聞き出せないまま、おばちゃんは眠りについてしまった。