四国地方整備局は29日、工事の請負業者に依頼した自宅駐車場の工事費用を一部しか支払わず差額分を業者に負担させて、国家公務員倫理法に違反したとして、徳島県内の事務所の建設監督官を停職6カ月の懲戒処分にした。建設監督官は工事現場の監督や調整などの業務を行うが、同局は業者との間で便宜供与はなかったとしている。
同局によると、建設監督官は2006年10月ごろ、担当する工区の工事を請け負っていた建設会社に自宅駐車場の工事を依頼。工事費用は88万6200円かかったが、10万円を代金として支払った。
建設監督官は当初10万円程度でコンクリート打ちの工事を依頼。しかし、その後にブロック敷きの舗装に変更し、道路から敷地までの車路の補修も追加した。建設会社は費用が高くなると説明したが、建設監督官から「安くしてほしい」と言われ、断れず10万円だけを請求したという。
建設会社は残り額を請求しなかったことについて、「工事の監督が厳しくなるのを危ぐした」と説明しているという。また建設監督官は「まけてもらったとの認識だった」と話しているという。今年2月に匿名の投書があり発覚した。
建設会社は06、07年度に計四件、約4億8800万円の工事を受注した。同局は「調査の結果、工事の受注や工事の監督で、建設監督官が建設会社に対して便宜を図ったことはなかった」としている。
同局は建設監督官の年齢と事務所を非公表とした。人事課は「徳島県内に建設監督官は6人しかおらず、個人が特定されるため公表できない」としている。