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経済

FRBの資金供給、資産構成上の限界に近づきつつある=日銀金融市場局長

7月29日18時46分配信 ロイター


 [東京 29日 ロイター] 日銀は29日、「サブプライム問題に端を発した短期金融市場の動揺と中央銀行対応」と題したリポートを公表、これについて中曽宏金融市場局長は、米連邦準備理事会(FRB)がとった様々な対応措置の結果、短期国債の保有額の大幅減少によりバランスシート上、資金供給余地が限界に近づきつつあると指摘した。
 同リポートは、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に対する主要中銀の対応をまとめたもの。FRBはサブプライム問題発生後、短期金融市場に大量の資金供給を行ったほか、プライマリーディーラーを対象に幅広い担保を裏付けとした1カ月物入札型ターム物貸出(TAF)の導入や、MBSなどを担保としてFRBが保有する国債を貸し出すなど、様々な措置を講じてきた。こうした措置が奏功して、米国の短期金融市場は当初に比べてある程度緊張感が緩和した。
 ただ、足元の国際金融市場の状況について中曽局長は「だんだんと周辺部に動揺が広がってきている」との認識を示し、特に注目しているLIBOR─OISスプレッドは基本的に高い状況が続いていると指摘。「カウンターパーティ信用リスクと流動性リスクの両方が縮小しないことを背景に、緊張状態はまだ続いている」とし、今後も縮小しにくい状況との見通しを示した。
 こうした中、FRBのバランスシート(資産サイド)は昨年夏までに比べて大きく変化した。短期の資金供給オペが大幅に増加したことを映じて、FRBは買い入れた短期国債を、現金償還などによってその残高を減額することにより、準備預金残高が一方的に増加することを回避、翌日物金利の誘導を円滑に行うことを企図。また、すう勢的に増加してきた長期国債の保有も減少、保有国債のうち債券貸し出しへの利用も増加した。この結果、FRBのバランスシートは、長期国債、短期国債ともに減少し、代わりに短期オペの比率が増加。短期国債買い入れ額はほとんど残高がなくなりつつあり、これ以上の資金供給が難しい状況になりつつある。中曽局長は今後の対応について、FRBがこれまであまり行ってこなかった資金吸収オペなどを活用して、バランスシートを短期国債の買い入れと両建てで膨らませる方法もあるとした。 
 リポートではサブプライム問題以降に欧米中央銀行が抱えた金融調節面の課題として、翌日物金利のボラティリティの高まり、ターム物金利と翌日物金利のかい離幅拡大、ドル建て金融市場のひっ迫などクロスボーダーでの波及、有担保資金取引市場の著しい機能低下、中銀のいわゆる補完貸付利用に対する民間金融機関の抵抗感の強さをあげた。こうした課題に対し、各国中銀では、翌日物オペの頻度・規模面の増加や、オペの長期化や柔軟化、ドル資金の為替スワップによる供給などの措置が講じられたと論点を整理した。

最終更新:7月29日18時46分

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