赤星慶治・海幕長は29日の会見で、燃料費の高騰で海自最大の実動演習「海上自衛隊演習」の中止を検討していることを明らかにした。同演習は1954年から半世紀以上続いているが、70年代のオイルショック期を含め中止されたことはない。赤星海幕長は「緊急用、災害派遣用燃料を確保するには、もっと大規模な削減を図らなければ」と話した。
海自はこれまで、艦艇の訓練を従来より近い海域でやったり、洋上訓練を港に係留したままで実施するなどして燃料節減に努めてきた。しかし、燃料費が当初想定より5割増になり、さらに見直しを迫られていた。
同演習は護衛艦や潜水艦約80~90隻、航空機約170機が参加する海自最大の運用演習。赤星海幕長は「節減だけでは難しい。最悪は(同演習の)中止も視野に入れたい」と話した。【滝野隆浩】
毎日新聞 2008年7月29日 18時28分(最終更新 7月29日 20時05分)