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【社会】

右側船底に強い衝撃、潜水艦の可能性 千葉沖漁船沈没

2008年7月23日 夕刊

 千葉県・犬吠埼の東方約350キロの海上で6月23日、福島県いわき市の巻き網漁船「第58寿和(すわ)丸」(135トン)が沈没し、死者4人、行方不明者13人を出した事故で、寿和丸は、船の下からの強い衝撃のため右舷の船底を損傷し、沈没したとみられることが横浜地方海難審判理事所の調査で分かった。理事所は、乗組員の証言などから、損傷は潜水艦との衝突で生じた可能性もあるとみて調査している。

 事故原因としては、複数方向から波がぶつかってできる「三角波」という高波によって船体が傾いた可能性が指摘されていた。しかし、当時の現場海域はうねりが2−4メートル、波高2メートルで、理事所は漁船が転覆するほどの高波ではなかったとみている。

 関係者によると、救助された乗組員は理事所の調査に「右舷船底近くの側面に強い衝撃を感じた」と証言。海に投げ出された乗組員らは油まみれで救助されていることから、船底の燃料タンクが何らかの原因で損傷、大量の燃料油が海面に流出したとみられる。

 証言などで、寿和丸は衝撃を受けて右舷側に大きく沈み込むように傾いた後、わずか10−15分で沈没したことが分かっており、船底に穴が開いて船内に海水が入った可能性が高いという。

 事故当時、周辺にいた僚船はレーダーや目視で他の船を確認していなかった。理事所関係者は「状況からみて潜水艦による衝突以外の可能性は考えにくい」とも話している。

 

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