【社説】独島は「主人なき岩礁」ではない
米政府機関の地名委員会(BGN)が独島(日本名竹島)を「主権未確定地域」(Undesignated Sovereignty)として表記していることが分かった。同機関のホームページでは先週まで「リアンクール岩礁」と入力すれば、独島は韓国に属していると表示されたが、現在は特定国の主権が及ばない地域に分類されている。
「リアンクール」とは欧州で初めて独島を発見した船の名前だ。韓国の立場で「独島」という厳然とした名前があるのに、国際社会では「リアンクール」という名前が通用している上、島ではなく「岩礁」に分類されていること自体受け入れ不可能だ。さらに独島が特定国の主権が及ばない地域として表記されているというのだからショックだ。米政府は地名委員会が定めた表現を使うケースが多い。看過できない出来事だ。
米地名委員会が立場を変更したのは、韓日間で最近独島の領有権問題による対立が起き、中立的姿勢を明確にするためのものとみられる。日本の直接、間接的な影響力も及んだとみるべきだ。日本は独島をめぐる挑発で韓国の感情的反発を誘い、国際的に紛争地域だという印象をつくりだした上で、国力を利用し独島をまずは「主人なき土地」にしようとする戦略を着々と進めている。
今回も韓国政府は米地名委員会が決定を下した事実すら知らず、事後に経緯をつかんだという。最近も米議会図書館の分類名が独島からリアンクール岩礁へと変更されようとしたが保留となったのは、韓国政府ではなくカナダ在住の図書館司書による努力の結果だった。米議会図書館の例から分かるように、今回も米地名委員会の決定に先立ち、韓国政府が抗議していれば変更を阻むことができた。今となっては覆水を盆に返さなければならない状況になった。
国際通貨基金(IMF)は2007年、日本の国力を国内総生産(GDP)の2.24倍、韓国は同0.29倍だと試算した。日本のGDPは韓国の4.5倍だから、単純計算すれば日本の国力は韓国の35倍に近い。35分の1でしかない国が35倍大きい国の戦略を阻もうとすれば、最大限何倍もの努力を傾けなければならないのは当然だ。しかし、現実は逆で勝負は歴然としている。
他国の機関が独島をどのように扱おうが、独島が韓国領であるという事実は永遠に変えられない。しかし、国際世論の悪化が続けば、韓国の立場はやがて行き詰まってしまう。
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