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言葉のしつけは母親から 若い世代ほど顕著 文化庁調査

2008年7月25日1時5分

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 子供の時に家庭で言葉遣いを注意してくれたのは父親より母親の方が多く、若い世代ほどその傾向が強いことが、文化庁が24日に発表した07年度「国語に関する世論調査」でわかった。また言葉の意味で「憮然(ぶぜん)」「檄(げき)を飛ばす」は、本来と違う意味で使う人が7割を超えていた。

 国語施策の参考にするため、3月に全国で16歳以上の1975人に面接調査した。

 子供の時に家庭で言葉遣いを注意された人は全体の59.7%。注意したのは母親が63.4%で、父親の25.6%を引き離した。世代別では60歳以上が母親52.7%、父親32.1%に対して、16〜19歳は母親77.8%、父親16.7%。若い世代の父親ほど、言葉のしつけで影が薄い。

 日常でカタカナ語が多いと感じる人は86.1%にのぼり、好ましくないとする人(39.8%)が好ましいとする人(14.5%)を上回った。

 カタカナ語60語について理解度を尋ねると、「ウェブサイト」が02年度の31.9%から59.4%に、「ログイン」が28.9%から55.4%に増えるなど、IT関連の語の普及が目立った。「ストレス」は社会状況を反映しているのか、02年度に続き認知度・理解度・使用度とも1位だった。

 よく聞く言い方に関する質問では部下が上司に「休まさせていただきます」と言うのが気にならない人が49.1%もいた。「休ませていただきます」が正しい。

 慣用句では「論陣を張る」より「論戦を張る」、「足をすくわれる」より「足下をすくわれる」を使う人が多かった。「憮然」は「腹を立てている様子」、「檄を飛ばす」は「元気のない者に刺激を与えて、活気づける」ことと思っている人が多かった。「煮詰まる」も30代以下の世代では7割が「結論が出せない状態になる」と思っていた。(編集委員・白石明彦)

     ◇

【どちらの言い方を使うか?】

(1)「全力で物事に取り組むこと」を

  心血を注ぐ(64.6%)

  心血を傾ける(13.3%)

(2)「論理を組み立てて、議論を展開すること」を

  論陣を張る(25.3%)

  論戦を張る(35.0%)

(3)「何かがきっかけになって、急に物事の本質がわかるようになること」を

  「目から鱗(うろこ)が落ちる」(80.6%)

  「目から鱗が取れる」(8.7%)

(4)「卑劣なやり方で失敗させられること」を

  「足をすくわれる」(16.7%)

  「足下をすくわれる」(74.1%)

(5)「胸のつかえがなくなり、気が晴れること」を

  「溜飲(りゅういん)を下げる」(39.8%)

  「溜飲を晴らす」(26.1%)

【どちらの意味だと思うか?】

(1)話のさわりだけ聞かせる。

  話などの要点のこと(35.1%)

  話などの最初の部分のこと(55.0%)

(2)7日間に及ぶ議論で計画が煮詰まった。

  (意見が出尽くして)結論の出る状態になること(56.7%)

  (議論が行き詰まり)結論が出せない状態になること(37.3%)

(3)憮然(ぶぜん)として立ち去った。

  失望してぼんやりとしている様子(17.1%)

  腹を立てている様子(70.8%)

(4)檄(げき)を飛ばす。

  自分の主張や考えを広く人々に知らせて、同意を求めること(19.3%)

  元気のない者に刺激を与えて、活気づけること(72.9%)

(5)琴線に触れる。

  感動や共鳴を与えること(37.8%)

  怒りを買ってしまうこと(35.6%)

(いずれも上の方の選択肢が本来の言い方や意味)

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