大漁旗を掲げて有明海をパレードする漁船=26日午前9時44分、佐賀県太良町沖、本社ヘリから、水野義則撮影
国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防に近い有明海沿岸で26日、佐賀県太良町の漁業者らが漁船約130隻で海上パレードをした。豊漁と航海安全を祈願するのが目的だが、漁民の多くは堤防排水門の常時開放に応じない国に抗議する思いも重ねた。
漁船は大漁旗を掲げ、午前9時ごろから続々と出港。約1時間にわたり、沖合を航行した。先頭の漁船には住職が乗り込んだ。
沿岸の漁業者らは排水門の常時開門を国に求める訴訟を起こし、一審の佐賀地裁判決は国に常時開門を命じたが、国は控訴した。原告漁民の一人、平方宣清(のぶきよ)さん(55)は「堤防閉め切りが原因で有明海一帯は漁業不振になった。パレードは国への抗議の意思だ」と話した。