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ある企業の経営危機

2008/07/23 21:07

さて、またメールでお知らせいただいたネタ。ある企業の経営危機という趣旨のブログエントリなのですが。「この経営危機とは本当なのでしょうか」という質問をいただきました。

リンク先の記事のどこを見ても特定の企業名は一切出てきません。しかし、しっかりと読めば、それがどの企業のことを指しているのかはおぼろげながらわかってきます。ということで、ブログの主の意思を尊重して、私としても特定の企業名を出さずあるいは断定せずにコメントして見たいと思います。

この某社、私が知っているあの会社だとすれば、この記事の内容はかなり的を射ていると考えます。もちろん、実際の経営危機が存在するかどうかはわかりません。何より、万が一そういう情報が外に漏れれば一気に瓦解する、そういう性質の企業ですから、たとえ同じ業界にあってもそういう情報が漏れてこないことは当然といえば当然です。

ただし、付き合いのある業界の知り合いの話などの又聞きではありますが、どうも最近ガードが固くなっている、という話を聞きます。たとえば、フランクな打ち合わせでも絶対に雑談に応じないとか、気軽に自社についての軽口をたたくことが無くなった、というような話を聞きます。もちろん、元々業界内にあっても一番の嫌われ者でしたから、その会社に相対する人としてもあまり気軽に雑談に応じたくないという気持ちもあるのかもしれません。

また、開発や投資にあまりお金を回さなくなっていることも事実です。これはたとえば、基地局建設数を見ても一目瞭然で、喧伝していた基地局数目標値を達成した(と宣言した)直後から、基地局の新規建設は一気に縮小し、業界1位の某社との局数の差は広がるばかりです。

また、海外で一世を風靡した某端末の国内発売に関しても、ほとんど開発ゼロで相手の言いなりされるなりのまんま買いまんま売り状態。それが業界1位の某社から発売されなかった理由はあまりの品質の低さだったからでは無いかと言われるほどの低品質なその端末を、ほとんど何もせず言いなりで売ってしまっています。

自社開発の端末に関しても、最近はメーカに丸投げ状態で、メーカからは「好きに開発できる」と喜ばれているようですが、実際に開発される新機種はほとんどがデザインを変えただけのもの。そういったモデルの双子モデル三つ子モデルを乱発して機種数だけを何とか確保している状態です。

などなど、確かに、件の記事で指摘するような「危うさ」は見えています。ただそうは言っても、保有する現金の残高は莫大です。そう簡単に倒産するようなことにはならないでしょう。実際、資産に対して持っている現金の量の比率がかなり高く(これは担保一つを何度も繰り返し利用して資金調達するというお家芸のおかげでしょうが)、いざとなれば自分自身を再買収するなんていう荒業さえ使える可能性があります。

ただそういう事情もあるため、結局はその現金は「使っちゃいけないお金」なわけで、投資に回すのはかなり難しく、インフラ事業者としては衰退の道をたどる可能性もまた十分高いと言えます。結局インフラ事業というのは究極の「実」業であるわけで、虚業的手法で事業を拡大してきた会社とは相性が良くない、と言ってしまえるかも知れません。

ということで、経営危機かどうかについてはどちらとも答えを出さずに、ぼんやりと私の周囲の状況と考えを披露してみました。といったところで本日はこれにて。

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