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アメリカ
温暖化を防ぐにはCO2削減より吸引
2008年7月23日(水)0時0分配信 クーリエ・ジャポン
掲載: COURRiER Japon + hitomedia 2008年8月号
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米コロンビア大学の海洋学者ウォーレス・ブロッカーは、1975年に温暖化の警鐘を鳴らした環境問題のパイオニアだ。当時は、地球の温度は下がっていると信じる科学者が多いなか、彼は大気中のCO2濃度と気候変動の関係を指摘し、地球の気候がいかに激変しうるかを説いた。
ブロッカーは、人類が化石燃料を手放すことは不可能だと考えている。原子力発電は放射性廃棄物の問題があるし、風力発電はあまりに頼りない。液体水素燃料は新たな流通インフラの整備が必要だし、太陽エネルギーはコストが高いため、普及させるのが難しい。
大気中のCO2濃度は、産業革命前の280ppmからすでに100ppmも増えており、ブロッカーは「この調子で行けば800〜900ppmに達する可能性もある」と指摘する。彼の主張は「もしCO2の排出量を減らせないのであれば、この問題に対処するセイフティー・ネットを作らなくてはならない」というものだ。
ブロッカーは、ある富豪から500万ドルの出資を受け、科学者と技術者からなるチームを結成。CO2を吸引する「気体洗浄装置」を開発した。これは潜水艦内の空気を洗浄するシステムを応用したもので、吸引したCO2は圧縮して地中に埋める。人類がいまの生活を続ければ、今後20年間に排出されるCO2を吸引して液化すると、ミシガン湖ほどの大きさになるという。
ガーディアン(UK)より
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