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鳥インフル、世界的大流行の可能性が高い低病原性ウイルス「H9N2」-香港 RSS

 世界的大流行(パンデミック)の危険性が懸念される新型インフルエンザ―新型インフルエンザの発生につながるのはH5N1型ではなく、H9N2型の鳥インフルエンザウイルスとなる可能性が高いとの見解を専門家らが示している。

 この見解は22日、香港大学で開催された汎発性インフルエンザに関する非公開シンポジウムで示されたもの。H9N2型の方がヒト細胞への適応が進んでいるためだという。

 鳥インフルエンザの権威である米セント・ジュード小児研究病院のロバート・ウェブスター博士は、「シンポジウムでは、H9N2型ウイルスが新型インフルエンザの流行を引き起こす確率が高いとの見方で意見が一致しました」と語る。

 ウェブスター博士によると、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの各地域でH9N2型鳥インフルエンザの感染が広まっており、香港や中国本土ではヒトへの感染例もわずかながら確認されているという。「H9N2は低病原性のウイルスですが、ヒト細胞との結合力が高まっています。いずれ伝染性の高いものに変化する“サイレント・ウイルス”の可能性があります」。

 1996年にノーベル医学賞を受賞した豪メルボルン大学の微生物・免疫学部名誉教授ピーター・ドハティー博士も同様の見解を示している。「全体的に症状が軽く、主にせきを引き起こすウイルスは危険です。静かに伝染していき、気がついたときには大問題へと発展している可能性が高いです」。

 香港では、昨年3月と1999年4月に女児計3人のH9N2型ウイルス感染例が報告されているが、3人とも回復している。

 一方、ウェブスター博士ら専門家は、高病原性のH5N1型ウイルスにも引き続き注意していく必要があると警告している。「H5N1型ウイルスはヒトに感染しにくい。しかしインフルエンザウイルスは急に変化する傾向が強いので油断はできません。もしヒト型に変異すれば、世界人口の62%を死に追い込む恐れがあるとされています」。(c)South China Morning Post/Mary Ann Benitez


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