左ひざ痛で故障者リスト(DL)入りしているヤンキース・松井秀喜外野手が21日(日本時間22日)、球団からの“手術勧告”を拒否し、今季中の復帰を目指すことに決めた。今後はこれまでとほぼ同様のリハビリを行う。
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松井秀の出した答えは、誰も予想していないものだった。球場入り後のトレーナー室。キャッシュマンGMやジラルディ監督を前に言い切った。手術は受けない。強い希望に、首脳陣も納得せざるを得なかった。
「少しでもチームの力になりたい。そのためには、もう少し治療を頑張ってみて、チャンスにかけてみたい」
この日の午前中、昨オフに右ひざ手術を受けた執刀医の診断を受け、手術を勧められた。この時点で球団側は松井秀が受け入れるとの手応えを得ていた。ところが、会談で松井秀の口から出たのは正反対の言葉だった。
今季中の復帰が目標でも、残り2カ月で復帰できる保証はどこにもない。同GMは「(今季中復帰の)可能性は低いし、長い道のりだ」と言う。それでも、松井秀は「もう一度慎重にやれば、可能性としては十分あるんじゃないか」と期待をのぞかせた。
もちろん、シーズン中の手術の可能性が完全に消えたわけではない。同GMが「マツイは延期を選んだ」と話し、松井秀本人も「無理なら、そのときは手術する可能性は出てくると思う」と覚悟する。勝つ見込みが小さいギャンブルに、松井秀が残りのシーズンをかける。