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獅童100億円大作ロケで死にそうになった

 「三国志」を描いた総製作費100億円のアクション大作「レッドクリフ」(ジョン・ウー監督、11月1日公開)に出演する中村獅童(35)がこのほど、同作の日本語字幕版の試写に出席し、日本人でただ1人参加した撮影を振り返った。当初はわずかな出演場面しかなかったが、ロケ地の中国でウー監督に認められ、ワイヤアクションなど出番が倍増した。既に公開が始まったアジア各国では興収新記録を樹立し始めた。

 「三国志」に登場する赤壁の戦いを描く作品の中、獅童が演じるのは架空の武将「甘興(かんこう)」。呉の周瑜(トニー・レオン)率いる孫権軍の勇猛な武将として、曹操軍と戦う。試写会で完成映像を初めて見た獅童は「僕が人を踏み台にして飛び、走ってくる馬と着地を合わせて敵を斬(き)る場面があるんです。ぶっつけ本番だったので馬と息が合わず、ワイヤに引っ張られて首がおかしくなったりした。あんな壮絶な撮影を短期間でやったのは初めて」と振り返った。

 撮影は昨年6月から8月まで中国で行われ、獅童の出番は当初、数シーンしか用意されなかった。しかし、撮影で試しに見せたアクションがウー監督に評価され、出演場面が倍増。ワイヤアクションは「死にそうになりながら、やり遂げた」(ウー監督)結果、劉備軍の関羽、張飛、趙雲に並ぶ武将として、戦闘シーンに登場する。

 獅童は「せりふ中心のシーンと言われ、いっぱい中国語を勉強して撮影初日を迎えたのに。乗馬シーンもワイヤアクションも監督に会ったら増えていった。役者としてはありがたい話なんですけどね、ワイヤを使うなら最初っから言ってくれよ」と笑った。「ここまで言葉が通じないのも初めて」という海外の現場で日本人出演者ただ1人という状況で役を勝ち取っただけに、奮闘を映すスクリーンに満足そうな視線を送った。

 同作は日本に先駆けて公開されたアジア各国で新記録を樹立している。10日に中国、台湾、韓国など6の国と地域で封切られ、中国では07年にスティーブン・スピルバーグ監督作品「トランスフォーマー」が記録した初日興収330万ドル(約3億4650万円)を上回る390万ドル(4億950万円)を記録。公開4日間の合計興収も、06年「王妃の紋章」の1400万ドル(14億7000万円)を超える1580万ドル(16億5900万円)。好スタートを切った。

 [2008年7月22日6時33分 紙面から]


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