西日本新聞

取り調べ体験ブログに 司法修習生守秘義務違反か 長崎市 ばあちゃんに説教しまくり 社会のゴミ掃除で視野狭く

2008年6月19日 14:29 カテゴリー:社会 九州・山口 > 長崎

 長崎市内の法律事務所で実務修習中の20代後半の男性司法修習生がインターネット上に自身が開設したブログに、検察の実務修習中に体験した容疑者の取り調べ状況などを書き込んでいたことが19日、分かった。長崎地裁は「内容に修習生としてふさわしくないとみられる言葉があった」として、裁判所法に基づく守秘義務違反に当たる可能性もあるとみて事実関係を調査している。


 同地裁などによると、ブログは「司法修習生のなんとなく日記」と題し、2月15日付に「今日、はじめて取り調べやりました。相手は0歳のばあちゃん。最初はいろいろ話を聞いてたけど、途中から説教しまくり。おばあちゃん泣きまくり」(ブログ上は実年齢を記載)などと記述。同29日付には刑務所見学について「自分が取り調べ中の被疑者は、刑務所出所後5日目に、また犯罪行為に出た」などと書き込んだ。

 3月20日付では司法解剖に立ち会った様子を「死体を切り刻んで内臓とかを全部出して全部調べると臭(にお)いはきつい」、同16日付には「検事が言っていたけれど、社会のゴミ掃除ばっかりやってると視野が狭くなると」などと記載していた。

 ほかにも、長崎市長射殺事件の判決公判について「テレビに映るとか言っていたけど(中略)ジャンケンに負けて修習生席に座れませんでした」との書き込みもあった。

 修習生は昨年9月、司法試験に合格した。修習期間は同11月から1年間で、長崎市での実務修習は今年7月までの予定。ブログには修習中の体験や感想などを書き込んでいたが、今月中旬、既に閉鎖されている。

 長崎地裁は今月12日、最高裁から連絡を受けて調査を開始した。同地裁総務課は「事実関係を調査し(処分については)厳正に対応したい」としている。

=2008/06/19付 西日本新聞夕刊=

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