2008年07月16日

雷句さんの訴訟に関連して(1)

 私の少年サンデー当時の担当編集者、冠さんの好意的な話題をほんの少し出しただけで批判的なコメントを残して行く方がおられます。
 その気持ちは理解できます。
 雷句さんが意図したことではないのかもしれませんが、「漫画家対大手出版社」の図式が出来上がってしまったため、義憤に駆られた人達がそういった行動に出るのは仕方が無いことだと思います。
 関心も高い問題でしょうし、こちらも予想はしていました。
 
 ただ、お世話になった編集さん、それも今回の一件に何の関係もない編集さんが実名で攻撃されているのはやはり見過ごせません。
 私は個人的な信義で冠さん個人を擁護しているだけです。
 
 コメントでも書きましたが、私は松浦聡彦さん、橋口たかしさん、猪熊しのぶさん、菊田洋之さんのところでご一緒に仕事をさせていただきました。
 高島さんは当時の菊田さんの担当、冠さんは橋口さんの担当で私のサンデーでの最後の担当編集者です。
 林さんは当時まだデスクだったと記憶しています。

 そして雷句さんの仕事場に行ったアシスタントさんからも直に話を聞きました。
 
 また冠さんと組んで読切を二本仕上げ、仕事ぶりも実際に体験しました。
 当時の編集部がどんなふうに動いていたのかも知っています。
 
 そして私は現在コミックバンチの作家であり、小学館と何のしがらみもありません。
 かなり私は正確に状況を把握していると思うのですが。

 誤解は情報の不足と偏りから生まれます。
 「雷句さん」「サンデー編集部」どちらか一方を妄信するのではなく、もう少し公正な視点で判断してもらいたいと思ってこのプログを書いています。 
 そのために、私にわかる範囲・できる範囲で質問にはお答えするつもりです。

 当時の冠さんのエピソードですが。
  
 まだ新人時代、小学館のサンデー編集部に打ち合わせに行きました。
 編集者に名前と用件を伝え、冠さんを呼んでもらったのですが外出中らしく、打ち合わせ用のブースで待つことになりました。
 
 30分・1時間……冠さんは表れません。
 偶然通りかかった高島さんが会釈して通り過ぎます。

 2時間くらい経ったでしょうか。冠さんが通りかかり、びっくりしました。 
 「あれ!?いつ来たの!?」
 
 どうやら用件を伝えた編集者が、ほったらかしてそのまま出かけてしまったようです。

 「本当にごめん、こんなことはもう無いようにするから……。」と、冠さんは頭を下げました。
 当時何の実績も無い新人だった私にです。

 その時の冠さんは申し訳ないというより「なんでこんないいかげんな対応をするんだ」と悔しそうな表情をしていたのが印象に残っています。
posted by 元首 at 23:52| Comment(13) | TrackBack(0) | 日記