2008年07月21日

雷句さんの訴訟に関連して(3・完結)

 変にセンセーショナルな文章を書いてしまい申し訳ありません(笑)
 自分でもわかっているのですが、なかなか直りません。
 文章を書く感覚も漫画といっしょなもので。
 今後は慎みます。
 
 ここからは真面目に書きます。

 以前ご質問された「橋口さんのブログは本物なのか?」「FAXは本物なのか?」ですが、電話で確認しました。
 ブログは橋口さん本人が書いたそうです。
 消した理由はいろいろあるみたいです。

 FAXは本物であるとは言えません。
 「本物」と言ってしまうと、「誰に聞いて本物なのか、それは誰がどんな責任で本物だと言っているのか」という話になってしまうためです。
 私個人の考えとして、本物じゃないかなあ……くらい。
 また雷句さんの方にも都合が悪いんじゃないかなあ……くらい。

 次にもともとの疑問だった「雷句さんの陳述書になぜ無関係の『冠さん』の名前が出て非難されているのか」です。
 この陳述書、驚くほど狡猾にできてるんです。

 もともと陳述書というのは何を書いても良い、極端に言えばデタラメでもいいんだそうです。
 それは裁判所に提出するものだからで、今回のようにネット上に公開すると言うのは極めて異様なケースだそうです。

 で、問題の部分がこちらです。

 『○○先生が、自分の描きたくないストーリー展開に抵抗すれば、「死ね!3流漫画家!」と、作画中に電話で罵倒され、後半はそれに対する○○先生の抵抗もつらくなり、冠茂氏の言うまま描くも、お話を無茶苦茶にされ、人気も上がらず、最後引っ掻き回したお話を収集しないまま、別の編集者へ担当を変え、責任も取らず冠茂は逃げる。○○先生はその引っ掻き回したお話を収めるだけで初の週刊連載を終わる事に・・・
  このお話は当時の○○先生が何度か自分の所へと相談に来ていたので、覚えている話です。本当に「道具」扱いである。』

 やっぱり、名前は伏せることにしました。

 ご存知の通り、雷句さん側は今回の原稿紛失騒動をサンデー編集部全体の体質の問題として扱ってます。
 そのためにはご自身の担当者だけでなく、「他の編集者もこのように横暴ですよ」という例を示す必要があるわけです。

 で、私はなぜここで今後立場が悪くなるかもしれないのに、自分の弟子の実名を挙げたのか。
 なぜ冠さんが出て来たのか、これがわかりませんでした。

 ここまではいいでしょうか?

 もし仮に冠さんが「虚偽の事実を公表された」として事実関係を争う場合、この○○先生・週刊文春には勝てるかもしれません。
 しかし雷句さん側はこの陳述書の中でただの伝聞、しかも○○先生の話として扱っているため、ここまで書かれても勝つのは難しいだろうという話でした。
 名誉毀損というのはそれくらい厳格な定義が必要なんだそうです。

 それで納得できました。 
 
 おそらくこの陳述書の中でもっとも横暴な編集者像が、捏造してもまったく火の粉が雷句さん側にかからない部分で描かれているんです。

 ネットでの陳述書公開、オークションでの原画価値の判定などと合わせ、これは雷句さんの頭から出たものではないのではと思います。
 雷句さんの弁護人の戦略なのではないでしょうか。

 で、冠さんとは実に七年ぶりに電話で話しました。
 ○○先生の言っている内容は全くの虚偽という説明をされました。
 ○○先生の起用に関して、当時の私の記憶と食い違いもあったようです。

 私はこれで十分です。

 ですが、納得できない方もいると思います。
 情報はいろいろとれたのですが、裏付けをするのが難しい。

 それで、私の聞いた情報を裏付ける事実で示そうと思います。

 なぜ冠さんだったのか?
 それは○○先生の担当が、たまたま冠さんだったからです。
 なぜ○○先生だったのか?
 ○○先生しかいなかったからです。

 なぜいないのか?
 雷句さんの弟子筋にあたるスタッフは、サンデーにまだ大勢います。
 そんなにひどい編集部ならば、なぜ崇高な目標を掲げた師匠に続いて立ち上がる作家が続々と出てこないのでしょうか?
 
 私は冠さんが職場でまずい立場に追い込まれたのではと心配していました。
 しかし、そうはなっていないそうです。
 漫画家・編集者・アシスタント・皆、実情を知っているからです。

 雷句さんの人物像は、今後の裁判で明らかになっていくと思います。
 明らかにはできませんが、陳述書との差異も聞けました。
 雷句さんの仕事場出身の作家さんやスタッフも、要請があれば出廷するそうです。

 私の立場ですが、ほんのわずかでも雷句さんを讃えないで良かったです。
 雷句さん側のやっていることは、漫画界のためなんかではありません。

 日記でこの話題を扱うのは最後にしますが、ほんの数日この日記を書いただけで、信頼できる人達が身近にいることがわかりました。
 良かったです。

 ただ、これでもう冠さんが小学館にいるかぎり一緒に仕事はできなくなりました。
 個人的な信義での擁護が、どうしたって「仕事欲しさの擁護」ととられますから。

 これからは仕事に集中します。

 多少は質問にお答えしますけど。
 

 
posted by 元首 at 03:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記