パレスチナ自治区・ガザを支配するイスラム原理主義組織「ハマス」と、イスラエルが停戦してから1か月が経ちました。しかし、敵対関係に終わりは見えません。家族を失ったひとりの少女を取材しました。
泣き崩れる少女。2年前の夏、イスラエルのミサイルが浜辺にいたパレスチナ人の家族を直撃し、少女の父親やきょうだい、合わせて7人が命を落としました。
惨劇の舞台となったガザの浜辺は今、多くの人で賑わっています。1か月前、イスラエルとハマスが停戦に合意して以降、暴力の応酬はひとまず収まっています。あの少女は今、どうしているのか。14歳になった少女を訪ねました。
「あの日のことは決して忘れられません。私が見たのはイスラエルの“犯罪”だもの。忘れることはできないわ」(家族7人を亡くした ガリヤさん)
ガリヤさんは、イスラエルとの停戦についてこう語りました。
「停戦? それはイスラエルが言っているだけでしょ。これからも絶対に彼らは私たちを殺し続ける。意味がないわ」(ガリヤさん)
停戦直前まで激しい戦闘を繰り返したイスラエルとハマス。今もイスラエルによるガザの封鎖は続いたままです。
深夜のガザには兵士たちの姿がありました。ここはイスラエルの教会付近ですが、停戦中の今もガザの兵士たちは一切のイスラエルに対する警戒を解いていません。
「停戦中といっても、我々はイスラエルを全く信用していない」(ガザの武装組織の兵士)
双方の敵対関係に変化はなく、停戦前と何ら変わりない緊張が続いているのです。家族7人を一瞬で亡くしたガリヤさんは、イスラエルへの強い憎悪をあらわにしました。
「あの日は海で泳いだり楽しかった・・・。でもイスラエルがやって来て・・・。父や姉たちにミサイルを撃ったの。なぜ私には父親がいないの? 神は父が殺されたことを忘れない。私は言える。イスラエルは必ず地獄に落ちる」(ガリヤさん)
停戦はいつまで続くのか。ガザは今、夏の盛りを迎えようとしています。(20日17:39)