私の少年サンデー当時の担当編集者、冠さんの好意的な話題をほんの少し出しただけで批判的なコメントを残して行く方がおられます。
その気持ちは理解できます。
雷句さんが意図したことではないのかもしれませんが、「漫画家対大手出版社」の図式が出来上がってしまったため、義憤に駆られた人達がそういった行動に出るのは仕方が無いことだと思います。
関心も高い問題でしょうし、こちらも予想はしていました。
ただ、お世話になった編集さん、それも今回の一件に何の関係もない編集さんが実名で攻撃されているのはやはり見過ごせません。
私は個人的な信義で冠さん個人を擁護しているだけです。
コメントでも書きましたが、私は松浦聡彦さん、橋口たかしさん、猪熊しのぶさん、菊田洋之さんのところでご一緒に仕事をさせていただきました。
高島さんは当時の菊田さんの担当、冠さんは橋口さんの担当で私のサンデーでの最後の担当編集者です。
林さんは当時まだデスクだったと記憶しています。
そして雷句さんの仕事場に行ったアシスタントさんからも直に話を聞きました。
また冠さんと組んで読切を二本仕上げ、仕事ぶりも実際に体験しました。
当時の編集部がどんなふうに動いていたのかも知っています。
そして私は現在コミックバンチの作家であり、小学館と何のしがらみもありません。
かなり私は正確に状況を把握していると思うのですが。
誤解は情報の不足と偏りから生まれます。
「雷句さん」「サンデー編集部」どちらか一方を妄信するのではなく、もう少し公正な視点で判断してもらいたいと思ってこのプログを書いています。
そのために、私にわかる範囲・できる範囲で質問にはお答えするつもりです。
当時の冠さんのエピソードですが。
まだ新人時代、小学館のサンデー編集部に打ち合わせに行きました。
編集者に名前と用件を伝え、冠さんを呼んでもらったのですが外出中らしく、打ち合わせ用のブースで待つことになりました。
30分・1時間……冠さんは表れません。
偶然通りかかった高島さんが会釈して通り過ぎます。
2時間くらい経ったでしょうか。冠さんが通りかかり、びっくりしました。
「あれ!?いつ来たの!?」
どうやら用件を伝えた編集者が、ほったらかしてそのまま出かけてしまったようです。
「本当にごめん、こんなことはもう無いようにするから……。」と、冠さんは頭を下げました。
当時何の実績も無い新人だった私にです。
その時の冠さんは申し訳ないというより「なんでこんないいかげんな対応をするんだ」と悔しそうな表情をしていたのが印象に残っています。
2008年07月16日
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雷句さんが、小学館を提訴してすぐに、「橋口たかしのブログ」なるものが、開設されました。
初代ブログ
http://s01.megalodon.jp/2008-0607-0630-11/ameblo.jp/hassy1967/
二代目ブログ
http://s04.megalodon.jp/2008-0609-1957-20/ameblo.jp/hassy19677/
藤栄さんは、「橋口たかしのブログ」を書いた人間が誰なのか、ご存知でしょうか?
お知りになられないのであれば、知らない、知っておられてもご返答されたくなければ、答えられない、で構いませんので、よろしくお願いします。
いまだに誰が書いたのか、はっきりしていない、ことが、誤解を生む要因のひとつになっている、と感じます。
橋口さん本人が書いたのであれば、ある漫画家さんの意見、ということで、それで終わりになる話ですし。
コンシェルジュは、好きなコミックのひとつですので、
このマンガ界の問題に藤栄先生がコメントを出してくれて嬉しいです。
まして今回の問題で明らかになっていない部分を、この様にしっかりとした受け答えしていただける事にも感銘いたしました。
ですから2つほど質問したい事があります。答えられない事でしたらノーコメントでかまいません。
○前記事のkyeさんの話でもあがった作品評ですが、
私は藤崎・橋口氏の両作品とも終盤はパターン化と起こる事件がエスカレート化
(矛盾してるかな?)が進んでいると感じました。
また一部の感情移入しやすい努力型のキャラクターに最後まで粗末な扱いがあると感じました。
また天才型キャラクターに頼りすぎてた感があった様に感じます。
あくまで私の私見ですが…
それを踏まえていただいてから
◎冠氏はヒット作を生み出すパターンとして、これらを扱ったにしても主流になるに足る方でしょうか?
雑誌のカラーの一つとしては良いと思いますが…
無理な改革や派閥化を進めていなかったでしょうか?
◎上記のようにある程度の方程式をもつ冠氏でも難しい事を
サンデー編集部は編集部主導で安易な後追いをしていなかったでしょうか?
答えずらい質問ですね…。最近のネットの反応と冠氏・橋口氏への叩きをみて疑問に思った事を書いてしまいました。
受け流して結構ですので…
では有明先生と(笑)藤栄先生のマンガがこれからも素晴らしいものになるよう応援していきます。
楽しみにしております!!
まったく私、先生と同い年なのに恥ずかしい
>私は藤崎・橋口氏の両作品とも終盤はパターン化と起こる事件がエスカレート化
>私は藤崎・橋口氏の両作品とも終盤はパターン化と起こる事件のエスカレート化
でした。
あらためてブログ拝見しましたが開設されて間もないのですね。
コメント返信などあまり無理されない方がいいですよ。
…あれ、矛盾だらけだ俺。では失礼いたします
1番ではないですが毎週10番目ぐらいに確実に入ってくる
面白さなので週刊誌としては貴重な気がします(^^;
毎週毎週の面白さに労力を費やしている分
通して見ると物語として滅茶苦茶になってしまった面はあると思いますが
どっちが悪いとかはなくて作り方の違いなんじゃないかと思います
目指す方向がドラマかバラエティかみたいな感じで。
あと、ワイルドライフのコミックスのおまけについてる4コマで
冠さんとのほのぼのライフみたいなのが描かれているんですが、
これで良い印象を持ってます。
(描かされているのか自分から描いているのかは分からないですが)
既出の「うぜぇ」なんてのもこの4コマです。
「悪気がないのは分かってるんやけどねぇ・・・」
みたいなフォロがついてますが
言葉遣い直してくれよみたいなのはあったんじゃないかと思います。
ワイルドライフの藤崎先生の
新連載は個人的にイマイチだったので
また冠さんを組んでもらいたいなと思ってます。
まぁ今回藤崎先生は冠さんのフォロがないですし
ネットで言われてるとおり
仲たがいみたいなことになってしまったのなら仕方ないですけど・・・
ようこそ、初めまして。
あとで直接橋口さんに聞いてみますが、係争中のことですからここでは発表できないと思います。
それはご理解下さい。
書かれている内容は私が見る限り橋口さんらしくありません。
絵柄からは想像できないでしょうが、橋口さんは剛胆な親分肌の人です。
北斗ベーカリーさんへ
初めまして。
ご愛読ありがとうございます。
作品後半の展開に生じた問題は、編集部による強引な引き延ばしが原因です。
連載が長期化すると、努力型・成長型のキャラクターは扱いにくくなります。
どこで完成させていいのかわからなくなるからです。
あらかじめ巻数が決まっているなら
序盤→努力・成長→伸び悩み・挫折→開花
とスムーズに割り振れるんですけれどね。
ご質問ですが
○サンデーは長い間「平凡な少年が努力する熱いストーリー」というこだわりから抜け出せず、作品のバリエーションの無さを招きました。
冠さんは「超人だけれども、人間的な弱点を持ち、それがゆえに愛される主人公」を目指していました。
スラムダンクの桜木花道を例に出すとわかりやすいでしょうか。
ために、冠さんはむしろ編集部では非主流派でした。
○私がやっていた頃のサンデーは、とにかくどんな話でも「主人公が努力する熱い話」に変えてしまう編集部でした。
今は多少自由度が出て来たのかなと思います。
後追いは相変わらずですが、問題は後追いを後追いと認識できてない所なんですよね……。
いちたかさんへ
初めまして。
ご推察の通りです。
本来なら週単位で満足させつつ、全体のストーリーも破綻させないようにするのがプロの仕事なのですが、今はなかなか難しいです。
読者さんが「より強い刺激」を求めるようになっていますから。
冠さんはキャラクターの強い編集さんですから、好き嫌い分かれるとは思います。
でも雑誌の編集者がみんな優等生になったら面白くありません。
仲違いしたという話は聞いていませんね。
ブログ、興味深く拝見させていただいております。
もしよろしければ、高島雅氏についての人物評を伺ってもよろしいでしょうか?
実は先生の目を引きたくて、このHNでした。原作の方の趣味かも?と、ドキドキでしたが
私の言葉足らずな所は、いちたかさんが代弁して下さってました。
冠氏の作品はバラエティー色強いと思いますねー。
主流うんぬんはともかく、その力を充分に出すには
やっぱり複数担当制は問題ありそうですね。多忙になり打ち合わせの機会も減り
着地点のすりあわせとかないと、酒井ようへい先生のような不満も出るでしょうし。
案外、冠氏は久米田先生と組むと良い化学変化あったかもしれませんね(笑)。
また長期連載にたいしての着地点に付いての藤栄先生の意見は
私のHNに関連する記事の中にありました。その通りと思いました。
私もダルシムエンドには?と思いましたが橋口先生の出世作を知っていたので
先生なりの河内愛かとも思います…
…パン職人は保護して欲しかった部分でしたが。
さてブログ等から拝見するに藤栄先生は円谷作品がお好きな様ですが、実は私は東映派です。(唐突だな。おい)
それの理由の一つとして徹底したキャラクターへの保護があるからです。
新番組・映画発表などで円谷作品は変身前役者とウルトラマンが並んでる事がありますが
東映では変身前と変身後が同一フレームにおさまる事はありえません。
また役名表示も、変身前/変身後と出、スーツアクターとは並びません
このような徹底した保護と意識があって私たちが子供の頃より絶え間なく戦隊というシリーズが
続いているのだと思います。
小学館には二次創作規制ばかりでなく
こういったきちんとした意識を持った上での
キャラクターコンテンツの保護を行ってほしいのですが…
ぬるま湯状態ですよね。例にあげた企業と同じようにならないことを切に願います。
最後に雷句先生の編集者感がわかりやすいと思われるインタビューをホームページアドレスに貼っておきます。
何かのご参考になれば幸いです。
先生と私は同い年と書きましたが、お互い良い年代に生まれましたね。
マジンガーもガンダムも両方リアルタイムで見て前記の長寿シリーズが生まれたての頃に体験し
その進化を見てるのですから
萌えってジャンルなんかが育っていくの見てると年とったなーとか感じますが(笑)
漫画の隆盛期はそれに比べると少し前の頃ですが
まだまだ進化を続けるメディアジャンルだと思います。
その中での藤栄先生の御活躍を切に願います。
また願わくば、この訴訟問題が漫画界にとって少しでもプラスに働きますように
では長文失礼いたしました。この件のご対応も含めて、あまりご無理なさらないで下さいね。
じゃ先生の漫画これからも楽しみにしてます、頑張って下さい!!!!
初めまして。
アシスタント先で少しお話したくらいなのですが、そんなに変わった人ではありませんでしたが。
北斗ベーカリーさんへ
私はむしろ東映特撮のほうが詳しいんですけどね(笑)
漫画にできることは実に多いので、それをこれから証明していくつもりでいます。
バンチにコンシェルジュが掲載されている週は幸せ感倍増です。
で、件の冠氏の件ですが。
人には相性というものがありますので、道栄先生からみた冠氏はそれはそれで真実なのでしょう。
実際この問題、雷句先生が先に陳述書で実名を出されたために、やや混乱を招いている部分はあると思います。
しかし、雷句先生は原稿紛失とそれを裁判にした経緯について「いかにして少年サンデー編集部と関係を悪化させたのか」という部分を明示させる必要があり、
ある程度仕方のないことではないでしょうか。ネットの発達した現代では、伏字にしたところであっという間に情報は暴かれ、間違えばまったく無関係の方が巻き込まれることもあるので。
ただ、当案件については、既に一部の漫画家・一部の編集者の言動がどうの、という問題をすでに超越しているように思います。
先日真偽不明の小学館側受信FAXを晒したブログがあり、数時間で閉鎖されました。
(検索すればすぐに出てくるでしょう、gooの画像キャッシュにまだ残っているため)
偽物であれば、文章偽造問題として小学館法務部が調査するべき案件ですし、
まかり間違って(ありえないと信じたい)本物であれば、企業倫理・情報セキュリティに対する意識があまりにも低すぎる、と。
もう、冠氏がどうのこうの、という問題ではありません。
・・・正直に言ってしまえば、先生が書いていらっしゃる冠氏の対応も、社会人としてはほめられた対応ではないのですが、編集者としてはまともなほうだ、というところに悲しさを覚えます。
長くなりましたが、私も10年近く前にはマスメディアの片隅で仕事をしていました。
業界の常識と世間の非常識の乖離に神経を壊して逃げたヘタレですので、大きいことは言えません。でも、今でもあの世界は変わっていないのかと思うと心底ぞっとします。
そして、そんな中で何度も読み返して楽しむことのできる漫画を描き続ける先生方を心から尊敬します。
コメントの返信はどうかお仕事に支障をきたさない程度に(笑)お願いします。
初めまして。「藤栄」です(笑)
一部のトラブルが、いつの間にか「漫画界全体の問題」に拡大されていることに違和感を感じてはいますが、私が冠さんを擁護するのはごく個人的な信義によるものです。
この業界は有象無象、おかしな魑魅魍魎のひしめく世界ですが、私自身そんな世界の怪物ですからあまり困りはしないんですけどね(笑)
だからこそ私には、普通の人間の普通の生活が輝いて見えるのですが。
仕事の日記に戻ってしまえば、コメントを残すお客さんも減ると思います。
打ち合わせしていたら、偶然冠さんにお会いしました。
かなり憔悴しておられました。
大変でしょうが頑張って下さいと言ったら
苦笑してました、
孤立無援というものはつらいものですね。
藤栄さんが擁護意見を発表していることを
伝えていればよかったのですが、
それすら忘れてしまうほど疲れた顔をしてらっしゃいました。
今度お会いしたら藤栄先生のことを必ず伝えようと思います。
先生も頑張って下さい。
雷句先生の、冠茂氏に対する又聞きよる批判は残念だと思っております。
道栄先生も擁護するあまり同じ間違いををしないようにしてください。
冠茂氏が有能の人間なら相手のタイプに合わせた対応の仕方をするはずですから、雷句先生の今の印象と担当編集になったあとの印象は違うことでしょう。
雷句先生と仕事をしていない人の批判と擁護、泥仕合にしかならないのではないでしょうか。
ネット展開するなら、冠氏と仕事をした人たち有志で擁護するブログを立ち上げて、原稿紛失問題と切り離して展開してはいかがですか。
初めまして。
個人で表現する術を何も持たない一般の会社員を、実名を挙げて攻撃ですからね……。
しかも原稿紛失には無関係の上、直接面識があるわけでも無いのにです。
擁護意見・批判意見。
関心のある人達が、二つをきちんと理解して判断してくれるといいのですが。
くろちゃん「さん」へ
はじめまして。手を引かせたいのか、騒動を大きくしたいのかどちらなんでしょう?
手を引くも何も、私は個人のブログで個人的な感想と意見を書く以外何もしておりません。
雷句さんに干渉する気もありません。
ご意見は道栄先生に伝えておきます(笑)
というか、なぜこんなタイプミスをしたのか自分が信じられない・・・お名前をミスって・・・すみません・・・。
(号泣)
お返事についてさらにコメント失礼いたします。
今回の件は事の発端として、そもそも冠氏のお名前が公に出てきたのが、雷句先生の陳述書だった為でしょう。裁判の争点が原稿紛失であり、紛失の一因として編集部の体質・出版業界の在り方を問われている以上、話が大きくなるのはやむを得ないと私は思っております。
冠氏がことさら大袈裟に捉えられがちなのは、ある意味ネット上では、彼が「いかにも業界人」的に見えてしまったからかもしれません。(提訴後の対応含め)まるでスケープゴートのようで、その点については心から冠氏に同情します。
ただ、魑魅魍魎が跋扈するからこそ業界は面白い、という時代はもう終わろうとしています。
精神論だけで創作活動を続けられる体質も限界に来ています。これは漫画も小説も、音楽や映画も、創作にかかわるすべてに当てはまる事と認識しています。
これを機に、まず変わろうという意識が生まれるだけでも大きな前進だと私は思うのです。表面には見えてきていませんし。
この問題に関わる出版業界の方々が、頭の片隅にそんなことを思っていただければなと思いコメントいたしました。
お名前間違いというバカをやってしまったので、元エントリーにコメントさせていただきます。長文またもや失礼いたしました。