祇園の花見小路通で客引きをするホストたち=京都市東山区
京都・祇園のホストクラブ16店が大阪国税局の税務調査を受け、計約3億5千万円の所得の申告漏れを指摘された。このうち約1億2千万円は、より悪質な所得隠しと認定され、国税局は重加算税を含め法人税や所得税計約9300万円を追徴課税したとみられる。人気を集めるホストクラブのずさんな経理実態の一端が明らかになった。
お茶屋が軒を連ね、情緒ある町並みで知られる祇園地区(京都市東山区)。ここ数年、四条通の北側にホストクラブが急増し、約40店が乱立している。国税局は、特に人気が高く盛況な16店について、昨年春ごろから1年余りかけて税務調査を進めた。
その結果、4年間にわたって所得をまったく申告していない店や、売り上げの多くを除外して一部しか申告していない店があることが判明。さらに大半の店は本来の売り上げを把握されないよう、記録を破棄したり、実際より少なく記録したニセの帳簿を作ったりしていたという。
これらの店には、売り上げ上位のホストを表彰するため、指名客から得た売り上げをホスト別に記録した書類があった。国税局はこの点に着目。記録されていたホスト別の売り上げを足していくと、申告していた店全体の売り上げを上回るケースが多かった。また、こうした記録もない場合は酒店や不動産業者などの出入り業者を調査し、店の収入を推計して課税に踏み切ったケースもあるという。(中島耕太郎)