大阪放送局

2008年7月18日 18時5分更新

大阪市の救急搬送件数 減少

救急搬送の件数が増加する傾向にあった大阪市で、ことし1月から半年間の搬送件数が、去年の同じ時期より6400件、率にして7パーセント余り減ったことがわかり、救急医療の関係者は市民の間に救急車を適正に利用しようという意識が浸透してきているためではないかと指摘しています。

大阪市消防局のまとめによりますと、大阪市内で患者が救急車で搬送された件数は、去年は17万3900件余りと10年前の1.3倍になるなど増える傾向にありました。
その要因の1つとして、軽い症状でも救急車を呼ぶ人が増えていることが指摘されています。
一方で殺到する患者の対応に追われる救急病院は、新たな患者を断らざるを得ず、複数の病院が受け入れを断るいわゆる「たらい回し」にもつながっていました。
こうした中、ことし1月から6月までの半年間の救急搬送の件数は7万9779件と、去年の同じ時期に比べて6411件、率にして7.4パーセント減ったことがわかりました。
これについて救急医療の関係者は救急現場や医療をめぐる厳しい現状が知られるようになり、市民の間に救急車を適正に利用しようという意識が浸透してきているためではないかと指摘しています。
大阪府医師会の山本時彦救急担当理事は「これまで診てもらって当たり前と思っていた人たちが現状を知り救急医療を守っていかならなければいけないと意識が変わってきたのではないかと思う。
救急車の適正利用が進めば病院としては本来の急を要する患者に専念できるので良いことだと思う」と話しています。