音楽・映画・本好きのためのよろずやブログ
●菅野よう子 坂本真綾 中島愛 May’n マクロスフロンティアO.S.T.「娘フロ。」 評価:Aマイナス(歌モノのみの評価)


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(2008/06/04)

2.Welcome To My FanClub's Night!(Sheryl On Stage)
3.What 'bout my star?(Sheryl On Stage)
4.射手座☆午後九時Don't be late(Sheryl On Stage)
6.トライアングラー
8.What 'bout my star? @Formo
10.アイモ
13.SMS小隊の歌〜あの娘はエイリアン
14.ニンジーン Loves you yeah !
15 「超時空飯店 娘々」CMソング(Ranka Version)
21 アイモ〜鳥のひと
23 インフィニティ
24 ダイアモンド クレバス



<問題点・注意点>

1・作風がら凄みを感じる曲が少ない
2・中島愛に比べるとシェリル歌唱キャストのMay'n(中林芽衣)の魅力が・・・
3・いずれボーカルアルバムが出るのだろうけど・・・


前シリーズ「マクロスゼロ」から約4年ぶりの新シリーズであり、マクロス誕生から25年目の節目を飾るメモリアルな作品でもある「マクロスF」。最初こそその絵柄に抵抗はあったが、往年のマクロスのエッセンスを上手く盛り込んだ心憎い演出と学園ラブコメディー的な内容が結構面白く毎週楽しみに観ている。世間からの評判も上々のようだ。批判意見もかなりあるだろうけど・・・。やはり世代がらマクロスは避けて通れない。

さて、かねてより通常のアニメとは違い作品に占める「音楽」の比率が高いマクロスシリーズ。デビュー作である「マクロスプラス」のサントラをして一気にサントラ業界の頂点に登りつめ、またマクロス主制作者である河森作品においても多数楽曲を手がけた巨匠菅野よう子が再び音楽を手がけたこともあり、「マクロス」「菅野」ファン共に期待するなと言う方が無理な話だろう。「マクロスプラス」での感動再び!!と非常に期待したのであるが・・・。う〜む。そうはいかなかった。

ロック、民族音楽、R&B、洋ポップス、へヴィーな曲、アイドルソング、コテコテでユーモラスなCMソングなどなど、ジャンルレスな音楽性及びどの曲種においても隙なく高レベルに仕上げてくる巨匠の楽曲センスは素晴らしい。商業的にも非常に洗練された楽曲らであることは間違いないだろう。テレビサイズで聴いたときはその出来に危惧したものの、フルサイズでのひとひねりもふたひねりもある複雑な展開やさらに表現に磨きがかかった坂本の歌唱が光る久しぶりの黄金タッグ曲の6曲目や、トラディショナルな魅力と美しさに秀でた10・21曲目などは「他者」とは違う巨匠ならではの実力・魅力があると言えるだろう。また、コミカルで如何にも劇中曲らしい14・15曲も妙につぼにはまってよし。のだが・・・。

巨匠の代表作である「カウボーイ・ビバップ」や「攻殻機動隊」のサントラ、そして何より「マクロスプラス」のサントラ収録歌曲らを今作のレビューのために並行して聴き続けたのだが、正直に言ってそれらと比べると聴きごたえがない。まあ、作風や世界観がらいたしかたない部分もあろうが、それを差し引いても何か軽く凄みや迫力、スケール感、完成度に欠けるのである。あの緻密で深遠で壮大で問答無用に圧倒される楽曲世界はどこに行ってしまったのだろうかと・・・。


このような感想・評価となってしまったのには作風や曲の完成度の問題だけでなく歌い手の問題もあろう。上記代表作が山根麻衣・新居昭乃・ORIGAらといった怪物レベルの実力・魅力の持ち主であるからしてこれまたいたしかたない面もあるのだろうが・・・。

今作が声優・歌手両方のデビュー作となる中島に関しては、表現や技量に関しては未熟な面が多々あるが、瑞々しい魅力あふれる歌唱・声質に往年の坂本真綾を彷彿とさせる大いなる可能性を感じてならない。菅野プロデュースということでは以前ここでも取り上げたAKINOも該当するが、より「ポスト坂本」「巨匠の名パートナー」に近いのはこの中島の方ではないかと考えている。既にテレビにおいて何度となく使用されている「アイモ」での歌唱はそのことを何よりも物語っていよう。将来が楽しみだ。

この中島と、わずか1曲ではあるが更なる存在感と成長とを見せつけた坂本の歌唱に比べると肝心のシェリルの歌唱キャストであるMay'nこと中林芽依が弱い。上手いには上手いのだが、凡庸なR&B系シンガーの領域を出ない個性やパンチに欠ける歌唱は、「銀河で彼女の歌が流れない日はない」とまで言われているカリスマシンガーシェリルに嵌っているとは言えないところがある。巨匠プロデュースでその資質が開花すると思っていたのだが、その結果は個人的には残念としか言いようがない・・・。

往年の巨匠名作と比べると不満点・問題点が少なからずあるが、全体的には良くできた作品である。

まあ、いずれ「ボーカルアルバム」のようなものが出そうで怖いのだが・・・。


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