出発地点の芝公園で。既にこの時から警察官が見守っていた。
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『ミクシー』や『YouTube』で盛り上がったフリーチベット系のデモに、7月5日、初めて参加した。若者を中心に2百名近くが参加したが、興味深かったのは、私服警官含む警察がデモに帯同していたこと。警視庁によれば、デモを行なうには、各自治体の公安条例に基づき事前に公安委員会に申請し、許可を得なければならず、許可を得なければ公安条例や道交法違反で取り締まられる。当局の事前許可を得て、歩くコースまで指導され、終始警官に付き添われるという「牙の抜かれ方」だ。
【Digest】
◇大声で叫ぶシュピレヒコールは、意外と気持ち良い
◇デモで何かが変わるのか?
◇デモには許可がいる
折りしも韓国では、李政権の退陣を求め5万人がデモや集会に集まったという。そもそも自然発生的に公の場に集まり、多少の混乱とともに、自由に既存の秩序に異を唱えるのが憲法で保障された「集会の自由」であり、本物のデモではないのか。
初めてデモというものに参加してみた。
7月5日、【対中外交】 国民の怒りの声を聞け! なるデモが東京都で行なわれた。デモの趣旨はフリーチベットから発した日本政府の中国に対する外交政策。そして去る4月26日に長野で行なわれた聖火リレーの際に参加者が感じた言論弾圧に対して国民の怒りの声を聞け!というものである。
日本の民主主義はアメリカに与えられたもので、「自分たち国民の力で勝ち取ったものではない」などと言っていた記者も、実はデモ行進なるものに参加するのは生まれて初めてである。
当日の5日は前日までの梅雨空が嘘のように晴れた。デモの集合時間であった正午には、気温は35度にもなり、地下鉄御成門の駅から集合場所の芝公園に着いた時には汗びっしょり。これから2時間近くも歩くのかと思うと、正直、げんなりしてしまった。
記者がこのデモに参加しようと思った動機は、このデモの発端が、マスコミ報道ではなく、ミクシーなどのインターネット上から起こったという経緯に興味深いものを感じたからである。今後の新しいデモの発生形態になるのかもしれない。
手短にその経過をお話すると、4月26日に長野で行なわれた聖火リレーに「フリーチベット」行動として参加した男性が、現場で長野県警やマスコミが取った行動に対して憤りを感じた。しかし、彼が憤りを感じた事実を多くのマスコミは報道しなかった。そこで彼は長野での出来事をYou Tube やミクシーなどで発信した。すると5日間で30万アクセスという多くの人の共感を得て、7月5日にデモを行なおう!というアクションになったのである。
参照:
民放が伝えない本当の長野聖火リレーの真実 其の壱長野聖火リレーについてミクシーで書いた日記に毎回、200個ものコメントを集めた
アリさんの報告。◇大声で叫ぶシュピレヒコールは、意外と気持ち良い
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いざ出発!新橋を通って外務省の前へ |
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集合場所には160名くらいの人数が集まり、簡単な趣旨説明の後にデモ行進はスタートした。参加者には乳飲み子を抱えた母親や子供づれで乳母車を押して参加する家族もいる。行進には警察官が何名も同行し、交通安全上の問題などに気を使って行進を守ってくれていた。
行進ルートは芝公園から新橋を通り、外務省の前を通って、日比谷公園へと達するものだ。デモ参加者は5列となってアスファルトの上を歩き出した。
デモの列には拡声器を持ったスタッフが数名いて、シュピレヒコールを行ない、それに参加者が追従するように声を上げながら進んでいく。
そのシュピレヒコールの内容は、以下の通りである。
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各自、抗議のメッセージを書いたボードを持ってシュプレヒコールの声を上げる。 |
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「日本政府は中国に媚びるな
中国に媚びる政治家は支持しない
弱腰外交はやめろ
拉致被害者を救出しろ
中国の人権問題から目をそらすな
首相の五輪出席はやめろ
人権なくして五輪なし
長野聖火リレーを忘れないぞ
我々は助けたい
チベットを助けろ
フリーチベット
ウイグルを助けろ
フリーウイグル
内モンゴルを助けろ
フリー・インナー・モンゴル
我々は怒っている
中国に媚びるマスコミはいらない
長野聖火リレーを忘れないぞ
日中記者交換協定を撤廃しろ
マスコミは目をさませ
我々は見ているぞ
正しい報道をしろ
我々は待っている
日本人よ目を覚まそう
我々は信じる
日本を信じる」
記者も拡声器の声に合わせて、大きな声をあげて歩いた。意外と気持ちがいい
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参加者は200名を超え、警察官が随時、帯同してデモを見守っていた |
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