長崎市内で13日に開かれた自民党の地元衆院議員の政治資金パーティーで、国営諫早湾干拓事業(諫干)の潮受け堤防開門をめぐり、長崎、佐賀両県の同党衆院議員が反対と賛成の立場から舌戦を繰り広げ、佐賀の議員が“総すかん”となる場面があった。
農水政務官を務める谷川弥一氏(長崎3区)が、開門を求めた佐賀県選出の副農相を相手に「『何だこらっ』と大げんかしました」と裏話をあいさつで披露。「長崎県民の利益を守らなければいけない」と開門阻止の姿勢を強調した。
これに対し、続いて壇上に立った佐賀県を主地盤とする広津素子氏(比例九州)が「農業、漁業の両立は可能。そういう(開門の)方向でいくと思うので、応援してもらいたい」と反論した。
開門反対の立場を強める長崎県内のパーティーだっただけに、会場内は広津氏に猛反発。同県連幹事長は「分かっとらん。勉強せろ」と“説教”し、谷川氏も「理屈じゃないんだから黙ってたほうがいい」と苦言を呈した。広津氏は「利害を超えて開門を考えてもらいたい」と納得いかない様子だった。【宮下正己】
毎日新聞 2008年7月15日 西部朝刊