5日に札幌市内で行われたピースウォークは、約3000人もの人々が参加し大いに盛り上がった。しかし、ニュース報道を見る限り、世間の注目は派手なパフォーマンスを見せた海外の活動家や逮捕劇に向けられ、シュプレヒコールを繰り返した農業団体、労働組合らの声は届いていないように感じられる。 デモ行進の後方で「G8反対」を唱え続けた女性は逮捕現場付近で「こういう派手な事件にマスコミはすぐ食いつき、私たちの主張は届けられない。幅広い主張を報道してほしい」と嘆く。実際に逮捕現場には多くの報道陣が集まっていたが、パレードの後方を歩いていた農業団体、労働組合らを取材するメディアは少なかった。 今回のG8サミットでは数多くのNGOや市民団体が反対活動を行い、それぞれ違った視点からG8に反対している。その際今回のピースウォークのように、G8に反対するという一点において共通する人々が共同して行動することは確かに有益だろう。しかし、それは自分たちの差異を覆い隠し「反G8活動家」という枠で一つに括られてしまうことにつながりがちだ。 その結果、世間の目は派手なパフォーマンスや逮捕劇といったインパクトのある出来事に集中し、それだけが反G8の活動のように扱われてしまう。実際に大手メディアの報道はそのような傾向が顕著だった。市民メディアにも、衝撃的な事件に集中する傾向があることは否めないが、大手メディアの扱わない多様な主張を紹介していくという、市民メディアの本来の重要な役割を忘れないようにしたい。 G8に対する評価は単純な二項対立ではない。主張は多様で問題は複雑だ。各活動家、政府、メディア、それぞれがその複雑さから逃げずに議論していくことを期待したい。 (井上峻輔) ※当記事はG8メディアネットワークの著作権ルールにしたがい、転載しています。 |
1位【G8】私は見た! ...(247p)
2位Esaman記者の「...(99p)
3位『あなたが生きている...(74p)
4位北朝鮮問題―拉致、核...(67p)
5位G8洞爺湖サミットに...(63p)
6位ソ・ジソブ写真集 「...(62p)
7位小学生天窓転落死亡事...(45p)
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