サミット開幕 内外メディアで慌ただしさ

国内外メディアの取材活動が本格化したIMCの共用スペース
 7日開幕した北海道洞爺湖サミット。世界中のメディアが取材活動とサミット情報の発信拠点とする留寿都村の国際メディアセンター(IMC)は、6日から外国メディアが続々と到着。首脳会議や北海道や環境技術紹介のための取材活動が本格化した。NGO(非政府組織)の報道発表も7日から始まり、サミット本番の慌ただしい雰囲気に包まれている。
 オープンは5日。当初は、外国メディアもちらほらだったが、日米首脳会談のためにブッシュ米大統領が現地入りした6日は状況は一変。外国メディアが続々とIMC入りし、夕方にはメーン施設の2階、国内・国外メディアの共用スペースは混雑気味に。多彩な言語がフロアに飛び交った。日米首脳の共同会見の様子がモニターに流れると記者やリポーターの人だかりができ、終了後は一斉にパソコンや電話に向かった。
 外務省によると、参加メディアは国内3000人、海外1000人を見込んでおり、メディア関係者のピークはG8以外の招待国を含めた拡大会合が行われる9日前後になりそうだ。
 一方、国内外の多くのメディアにとっては、北海道や洞爺湖情報、環境技術を集めたIMCも取材の対象。特に海外メディアの関心は、雪を使ったIMCメーン施設の冷房。「本当に雪で冷房しているのか」「仕組みはどうなっている」などの質問が目立つ。日本以上に雪氷エネルギーの有効活用に可能性が広がるロシアのテレビクルーらが強い興味を寄せていた。
 

ハスカップレディが苫小牧PR

ハスカップレディもPRに一役
 胆振の食の魅力をPRする「いぶりフェア」が、洞爺湖温泉街の「洞爺湖ふれあい情報タウン」を会場に、5―7日の日程で開かれた。苫小牧市など管内市町が日替わりで地元の名産を無料提供した。訪れた外国人や観光客ら各地の自慢の味を堪能していた。
 営業休止となった2つのホテルを拠点に、フェアをはじめ、地域の魅力をアピールするさまざまな催しが行われている。6日のいぶりフェアには苫小牧市と室蘭市が出展。苫小牧市は菓子メーカー「三星」の菓子やTSOスタッフ(苫小牧市しらかば町)が開発した「ホッキ魚醤」、王子サーモンが製造するミネラルウオーター「支笏の秘水」といったよりすぐりの名品を、市の観光親善大使を務めるハスカップレディがPR。千歳市から観光で来た女性は「苫小牧にこんなに多くの名物があると知らなかった」と笑顔で舌鼓を打っていた。
 このほか、ホテル館内では苫小牧市科学センターに展示の宇宙ステーション「ミール」など各地の文化や歴史を紹介するブースも、10日まで設けられている。
 

アフリカ報道陣がイオン視察
 洞爺湖サミットの取材のため、来日中のアフリカ報道関係者ら9人が5日、イオン苫小牧ショッピングセンター(SC)に視察に訪れた。エコストアとして新装オープンしたばかりのセンターの環境への取り組みに関心を示し熱心に取材した。
 訪れたのは、アルジェリアやエチオピア、タンザニアなどの記者ら。ジャスコ苫小牧店の伊藤智之店長らの案内で、駐車場に設置されたソーラーパネルや店内の冷蔵ケース、地中熱利用換気システムなど環境面に配慮した設備を見学した。
 特にレジ袋の無料配布中止と、マイバッグ持参には強い関心を示し、「客の反応は」「素材、価格は」などとメモを取りながら熱心に質問していた。
 実際に5円を支払いレジ袋を購入したリベルテ紙(アルジェリア)のサリム・タマニ編集長は「みんなで行っている部分も含め、非常に良い取り組み」と関心を示していた。ガーニアンタイムズ(ガーナ)のキングズリー・ホープ記者は「どれだけ二酸化炭素の排出量削減のために日本人が熱心に取り組んでいるかを知ることができた」と話していた。
 9人は6月30日から7月2日にかけて来日。都内や日光市を見学し、5日新千歳空港に到着した。
 

G8反対掲げ洞爺湖周辺に集結

 反G8洞爺湖サミット北海道(アイヌモシリ)連絡会とG8を問う連絡会の2団体がサミット開幕の7日、壮瞥町と豊浦町で集会とデモ行進を行った。壮瞥町では2団体の約100人が合流し、「貧困、格差、飢餓、戦争を生み出すG8サミット反対」「グローバリゼーション反対」を訴え、洞爺湖畔までの約8キロを横断幕などを掲げて行進した。
 フィリピンや韓国など海外の団体も含め、十数グループでなるアイヌモシリは、6日から伊達市弄月町の民有地にキャンプを張り、9日までのサミット期間中、豊浦町と壮瞥町でキャンプを張るG8を問う連絡会と連携し、連日決起集会やデモ行進するという。
 フィリピンから参加しているBAYAN書記長のレナート・レイエス・Jrさん(32)は厳重な警備に驚きつつも「新自由主義政策により、フィリピンでも債務支払いのための増税など、市民生活を直撃している」とし、韓国人の一人は「国民の4分の1が最低生活基準以下の生活をしている。本当に貧しい人のことについて話し合ってほしいがそうではない」と語った。
 アイヌモシリ事務局の宮沢直人さん(52)は「北海道はアイヌの地。道内でのサミット開催は、先住民族をないがしろにする行為だ」と話した。
 

【安平】今年も護岸ペイント

護岸に絵を描く子供たち
 安平町で安平川をきれいにするボランティア「クリーン安平川の日」が5日、町内追分の安平川河川敷で行われた。子供からお年寄りまで50人以上が参加し、安平川のごみ拾いや水質検査、4年目を迎えた「護岸ペイント」に汗を流した。
 マチおこし研究所(園部敏行所長)が主催する恒例行事。安平川が自然豊かな川になることを願い、クリーン安平川の日と銘打ち、環境向上の事業を展開している。今年も総合学習で環境を学ぶ追分小の児童、ボランティア活動に熱心な追分高の生徒、近所の住民やボランティア、町職員などが参加した。
 4年目の護岸ペイントは「安平のスポーツ」がテーマ。縦2.5メートル、横5.5メートルに、追分小の4年生10人が、スケートやスキー、剣道、サッカーなどで楽しむ様子を水性ペンキで描いた。
 剣道選手の色を塗った柳谷一輝君(9)は「自分の描いた絵が残るなんて何かすごい」と笑顔を見せ、「うまく塗れた」と満足そう。園部所長も「河川敷のごみも年々減っている。昨年は10袋分ぐらいあったが、今年は4袋分に減った。環境に関心を持つきっかけになっているのでは」と手応えを感じていた。
 

HOME過去のニュース記事検索著作権について購読申し込み
当ホームページ内に掲載の記事・写真など一切の無断転載を禁じます。
苫小牧民報社