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府職員給与カット 府労連の言い分

2008年07月10日

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新居晴幸府労連執行委員長

 財政再建で府民サービスのカットが打ち出される中、給与カットに反発を強める労組に対し、府民から「職員にも痛みがあって当たり前」と怒りの声が出ている。組合は、こうした声にどう答えるのか。連合系の府労働組合連合会(府労連、組合員数約1万8千人)の新居晴幸執行委員長(57)と、全労連系の府関連労働組合連合会(府労組連、同約2万1千人)の平井賢治書記長(56)に疑問をぶつけてみた。

■借金作った知事らの責任だ
       〜府労働組合連合会・新居晴幸執行委員長〜

 ――労組に対し、批判の声が強まっています

 新居 私のコメントや労組の集会などが報道されるたびに、事務所に「ええかげんにせえ」「民間がどれだけしんどいかわかっているのか」という電話がひっきりなしにかかってきます。改革に対する「抵抗勢力」に祭り上げられてしまっている。

 ――府職員の平均年収は約760万円。近畿の民間企業につとめる人の年収は約438万円。「給与カット反対」という労組の意見は、府民には理解されにくいのでは

 新居 府の職員は給与の高い壮年層が多い。平均額ではなく、同じような学歴、勤務年数、職責の人と比べたら、高いとはいえないのではないか。それに、労働組合の存在意義からして給与カットに賛成はできない。だが完全反対では交渉にならないから、カット率を緩和してほしいと訴えている。

 ――障害者の移動支援や子育て支援など、弱い立場の人を助ける事業の廃止が打ち出されている。府民に痛みを求めるのだから、職員にも相応の痛みがあるべきではないか

 新居 職員は痛みを受け続けている。この10年間、給料のベースダウンやボーナスカットが続き、約3千億円の人件費が削られた。その上に、10%を超す今回の給与カットは懲戒処分の減給と同じ。ひどすぎる。

 ――職員には、府が今の財政状況になった責任はないのか

 新居 職員は目の前の仕事をやっていただけ。教員は子どもたちと向き合い、警察官は犯罪を必死に取り締まってきた。政策決定の場に入っていない職員ではなく、りんくうタウンを造ると決めた当時の知事や府議らから金を取ってくるべきだと思う。それをやらずに給与カットはおかしい。

 ――給与カットをせず、どう財政再建していくのか

 新居 そもそも、本当に府は財政が破綻(はたん)しているのか。府民はそう刷り込まれているが、実は違う。府の実質公債費比率は約17%。財政再建団体となる基準は35%以上だから、まだ余裕がある。本当に財政が破綻しているかを考えないと、「とにかく府の財政は大変だから削減だ」という知事のマジックにはまってしまう。

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