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<教員採用汚職>十数年前から 大分県教委元幹部が証言

7月11日2時31分配信 毎日新聞


 大分県の教員採用試験を巡る汚職事件に絡み、小・中学校の教員採用試験で、口利きによるボーダーライン上の調整が少なくとも十数年前から行われていたことが分かった。当時の県教委幹部が毎日新聞の取材に「コネがまかり通っていたことは事実。合否を判断する時に口利きがあるかどうかというのは考えの中にあった」と証言した。コネ採用が長年横行していた実態が初めて浮かび上がった。

 元幹部は取材に対し、仲介者や保護者らから合格後、謝礼として中元や歳暮名目で洋服の仕立券や商品券を受け取っていたことも明らかにした。

 証言したのは、十数年前から県教委内で小・中学校を担当する教職員第1課(現・義務教育課)で数年間、採用試験などの人事を担当した元幹部。

 元幹部によると、当時、県議や有力者から名前と受験番号を告げられ、何度も合格の依頼を受けていたという。合否判定の会議の際、その受験生がボーダーライン上にいると、「これは頼まれているから」と合格させることがあったという。

 現金授受は「なかった」としているが、謝礼として中元などの名目で1万〜3万円分のシャツ仕立券などを受け取っていたという。「もらっていいのかという良心の呵責(かしゃく)はあったが、次第に受け取るようになってしまった。感覚がマヒしていた」という。

 また現職当時、試験前に「受験生2人を100万円で通してくれないか」などと依頼されたこともあったが、これは断ったという。

 一方、県教委義務教育課参事、江藤勝由容疑者(52)=収賄容疑で逮捕=は03年4月から教職員第1課に配属され、入試・採用の実務を担当したが、関係者に対して「(点数の改ざんは)うわさでは聞いたが、入ったら本当にあった」と話しており、口利きによる改ざんなどが長年の慣習だった疑いが強かった。

 県教委によると、小学校教員の採用試験倍率は、94年度は6.4倍だったが、年々高くなっていき、98年度の9.6倍を最後に、99年度からは2ケタ台で推移している。08年度は11.5倍だった。競争率が高くなったことを背景に、県教委側の不正が増長したという見方もある。

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最終更新:7月11日2時31分

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