神奈川県藤沢市の生コン業者「六会コンクリート」が、日本工業規格(JIS)で認められていない物質を混ぜた生コンを製造し、マンションや橋など同県内約300物件で使われている可能性があることがわかった。
既に判明している2物件について国土交通省は「強度上の問題はない」としているが、横浜市などによると、同市と鎌倉市にまたがる敷地内に建設中のマンション3棟で、建設業者が自主的に工事を見合わせている。
国交省によると、同社は昨年7月から今年6月、ごみの焼却灰を溶かしてできた砂状の「溶融スラグ」を砂の代わりに1〜2割混ぜた生コンを製造、出荷した。同社製生コンは8日、JISの認証を取り消された。
溶融スラグは建設資材などへの利用が進んでいるが、生コンのJISでは認められていない。砂よりも1立方メートルあたり100円程度安いといい、同社は国交省の調査に「JIS違反を認識していた」と話したという。
建築基準法上、柱など主要な部分のコンクリートはJISへの適合など条件があり、問題の製品を使った建物は同法違反となる。使用が判明した物件では表面が薄くはがれる不具合がみられるが、必要な強度はあるという。今後、長期的な影響の調査と他の使用物件の特定を進める。