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【オークランド(米カリフォルニア州)8日】マリナーズのイチロー外野手(34)がオールスター戦の前日、14日に行われる「本塁打競争」(ヤンキー・スタジアム)に、日本人選手で初めて参戦することが決定的となった。フリー打撃では、他のスラッガー顔負けのパワーを見せるイチローに米大リーグ機構が注目。背番号51も、メジャーの聖地のラストイヤーを飾るイベントということから、要請を快諾した模様だ。
イチローが、今季限りで幕を閉じる伝説の球場にその名を残す。すでに「本塁打競争」出場8選手中、6人が決定。注目されていたア・リーグの残り2枠に、日本人として初めて名を連ねることになった。これまでもオファーを受けながら辞退してきたが、MLB関係者が今年も出場を強く要請。今年は大好きなヤンキー・スタジアムでの最後のイベントとなることから、ついにメジャー屈指の強打者たちとの“夢の競演”に臨む意思を固めた模様だ。
天才打者が「長距離砲」としてのベールを脱ぐ。昨年の球宴で「狙えば本塁打をシーズン何本打てるか?」との問いに「(打率)2割2分でいいなら40本と言っておきましょうか」と真顔で答えた。試合前の練習ではフリー打撃でサク越えを連発する実力の持ち主。その長打力は、マ軍内にとどまらずMLB関係者の誰もが認めるところだ。
ヤンキー・スタジアムで参加することに特別な意味がある。8年連続の球宴出場が決定した6日「(運命や縁が)ないわけないでしょう。たぶんニューヨークのファンも僕のことを好きだし、ファンと敵の選手としての会話が存在する唯一の場所ですから」とNYファンの魅力を語った。練習でサク越えを放ったり、背面キャッチをするたびに大歓声が沸くスタンドに「エネルギーを持っている。見せがいがあるし、面白いですよね」とファンを絶賛。そんな目の肥えた人々を本塁打競争で喜ばせるつもりだ。
参加する以上、狙うは優勝しかない。すでにMLB関係者にその意思を伝え、着々と準備を進めているという。昨年は球宴初のランニング本塁打でMVPを獲得した背番号51。以前、ヤンキース・松井が「本塁打競争は出るべき人が出るもの。簡単に出られる舞台じゃない」と話した名誉ある夢舞台で、今年は球界屈指のスラッガーを抑え込み、優勝をつかみ取るつもりだ。
◆日本では3度出場 イチローはオリックス時代の日本の球宴では3度、本塁打競争に出場している。初出場の95年は日本ハム・田中幸雄、近鉄・中村紀洋(現中日)とともにパ・リーグ代表として臨み、10スイングで4本のアーチを放った。97年は5スイング中1本。3度目となった99年はヤクルト・ペタジーニと5スイングの“サシ勝負”だったが、1本しか打てず、3本のペタ砲に敗れた。
◆本塁打競争のルール 日本では決められたスイング数で何本打つかで争うが、メジャーではスイングして本塁打以外の打球はすべてアウトに数え、10アウトになるまでに打った本数で決める。出場8選手を第1ラウンドで上位4人、第2ラウンドでは第1ラウンドとの合計本数で上位2人に絞る。決勝戦は、その本数だけで優勝者を決める。
(2008年7月10日06時05分 スポーツ報知)