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難病:7疾患を追加指定 HAMや魚鱗癬など 厚労省

 厚生労働省は23日、国が研究予算を出している難病(難治性疾患)の対象に、来年度から「HTLV-1関連脊髄(せきずい)症(HAM)」や「先天性魚鱗癬(ぎょりんせん)様紅皮症」など7疾患を追加することを決めた。難病は過去10年で5疾患しか追加されていないが、既存の研究班が類似疾患を取り込んで大幅な増加につなげた。

 難病に指定されると、画期的な診断法や治療法の開発、大規模な臨床研究が公費で可能になる。特に治療が難しく患者側の負担が重いとされる「特定疾患」に指定されれば、国と自治体の治療費助成を受けられる。現在の対象はパーキンソン病など123疾患。

 新たに指定されるのはHAM(患者約1400人)、魚鱗癬(150~300人)のほか▽下垂体機能低下症(約7000人)▽クッシング病(約1000人)▽先端巨大症(約1万人)▽原発性側索硬化症(約150人)▽有棘(ゆうきょく)赤血球舞踏病(約100人)。

 疾患の追加について、03年にHAMの患者会「アトムの会」を作った鹿児島市の菅付加代子さん(51)は「じわじわと寝たきりになる恐怖は、なかなか分かってもらえなかった。苦しんでいる人が救済される制度であってほしい」と話した。HAMは歩行障害などを起こす進行性の病気で、かつては風土病とみなされていた。

 皮膚がひび割れてはがれ落ちる「魚鱗癬」の患者会代表の梅本千鶴さん(50)は「自己負担軽減に向け、活動を続けたい」と語った。【高橋咲子、木村健二】

毎日新聞 2008年6月23日 20時08分(最終更新 6月23日 21時01分)

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