2007年11月27日
こっちにもあげときます☆
今回はそれ、紹介します。
いや、なんてこたぁない話なんだけどね。
それは、飛鳥が高校3年生だったか、V1(浪人)の頃だったかの出来事でね。
仙台港に、アメリカ軍の艦船が入港したんだね。巡洋艦クラスだったかと思うが、正確には覚えてないなあ。でも、あんまり無いことらしくニュースにもなっていた。
でもまあ、飛鳥にはなんら関係ねぇことなんで、いつものように休日は街に繰り出して、ゲーセンで炎となっていたわけだ。
が、その日。
行きつけのゲーセンに入ると、なんか人口密度が違うんだわ。
いや、人数というよりは、やけにサイズのでかい奴らがうろうろしている。入った瞬間「なんだこれ?」という異様な圧力を感じた俺は、警戒しながら奥を確認したんさ。
すると、なんじゃこりゃ?丸刈りの外人がうじゃうじゃいるじゃねえか!どいつもこいつも同じ頭だが、これは……?
ああ!あれか、アメリカの軍艦の連中だよ!もしかして、海兵隊ってヤツかこれ!?
いやぁ、さすがに平均身長がほぼ俺と同じ連中だ。でかいでかい。しかし、ホントに海兵隊ってのはこういう頭してんだなぁ。高校入り立ての飛鳥を思い出しちまったぜ。
みると、兵隊たちはそれぞれ生意気にもゲームを楽しんでいるではないか。ちょいその腕前に興味があった俺は、しばらく自分はプレイせずに、アメリカ兵たちのゲームぶりを見物して回った。
いやぁ~可愛いね。へたっぴなんだわコレが。
で、当時そのゲーセンの、入り口入ってすぐのところにおかれていた人気ゲームが、銃をもって画面の的を狙い撃つ、「ニューヨークキャプター」だ。
米兵たちも、もう当然そのゲームには興味があるようで、次々とプレイするが、
いやちょっと待てよお前ら。日々実銃で訓練してるお前らが、どうしてそこまで下手なんだ!?
わずか10万点も行かずに次々とゲームオーバーだよ。
「オッマイガッ!」
とか
「ガッデム!!」
とか、本当に言うんだなアメリカ人は……(いや当たり前だろ)。
俺の目の前で10人ほどがそうしてゲームオーバーになった頃、さすがに見かねて、俺が前に出てしまったのだ。100円玉を筐体に放り込み、まずは両手持ちで銃を構える。
すると、ゲームオーバー組の兵隊どもが、俺のまわりで見物を始めた。
みると、「へっ、ジャップが。」という表情でいやがる。ま、無理もない。日本人など、こいつらから見れば黄色いチビ猿みたいなものなのだろうからな。もっとも、俺は、徴兵でちょっとばかり軍隊かじった程度のお前らなんぞ数秒で殺せる。日本人、なめんなよ!
ゲームがスタートした。
この「ニューヨークキャプター」は、高層ビルの映像が上階に流れていく中、ビルの窓に現れる敵を狙い撃っていくもので、時には悪漢が人質を盾にして現れるという、なんともえげつないゲームだ。海兵隊どもも、この「人質」を撃ち殺してゲームオーバーになっていくわけだ。
だが
敵が窓から現れ……ようとして、姿が半分弱ほど出たところで次々とぶち殺されていく!悪党どもは、銃を構えることも出来ない!!
「Oh!!」
周りの兵隊らから声が上がる。
おっと、人質かい。
一瞬狙いをつけた後、確実に半身を打ち抜かれる悪党。人質など、何の意味も無い。
さらにアメリカ兵が騒がしくなっていく。「普段銃など持たない日本人が、なんで?」という顔になってきた。いやいや、まだまだこれからだぜ海兵隊!!
「ニューヨークキャプター」は、1000万点でゲームクリアになる。ちなみに、俺は初プレイで40万点、2回目に200万点、3回目には、クリアしてしまった。以来、プレイするたびに100%クリアだ。さぁアメ公ども!教習の時間だぜ!!
反撃の銃弾を一発も浴びることなく、次々とステージをクリアしていく俺。
ステージの合間にふと振り返ると、なんやぁ!増えてる!兵隊どもがもう20人ほども集合していやがる。てめえらここは出入り口なんだぞ。お前らみたいなでけえのがかたまったら、日本人通れねえだろ!
だが、その顔はなんか奇妙に笑顔だった。みな、俺のプレイを見に集まっているらしい。
そうか、それならちょっとサービスしてやるか。
次のステージ、俺はシングルハンドで銃を持ち、同じように敵をばかばか撃ち殺していく。再び、「Oh!!」という声があちこちで上がり、拍手や歓声となっていく。
うむう……なんてノリのいい奴らなんだアメリカ軍人!俺も乗ってきたぜ!!
いつもより集中力が凄まじい。敵など画面に一瞬もいられない。人質を一人も傷つけることなく、ゲームは進む。スコアが500万点を超えた頃、後ろにはゲーセン内の軍人ほぼ全員が集まっていた。いや……マジこれ出入り出来ないって。お前らちょっとは遠慮しろ。
兵隊どもは、俺が数人の悪党を一瞬で打ち抜く度に、「うおおおお!!」と盛り上がる。
……ん~~~いいものだ。日本人にこんなにされたことなんてねえよ。お前らホントに陽気なんだなぁ!!
コレ読んでる皆さんも、本物の米国ノリを味わった人はどのくらいいるものだろうね?いやホントにあいつら、素晴らしいものには惜しみなく賞賛をおくるんだよ。なるほどアメリカで成功するとでっかいってのが理解できたよ。
さあホントに気合入ってきたぞ飛鳥エイジ!!
米兵どもの興奮も最高潮というその時、俺は画面を前に、「銃」を下に降ろしてしまった。「!?What??」だか「why??」みてーな声が一斉に上がる。うんうん、それでいいんだよお前たち。今、最後の教習をつけてやるぜ。
悪党が、また窓から姿を現す。
その瞬間、俺は一切狙いもつけず、腰元に銃を置いたまま、敵を撃ち抜いた。
「Oh!!アンビリーバボー」と言ったかどうかは知らん。だが、俺の背中は、白黒入り交じったアメリカ人の驚愕の叫びで埋め尽くされた!
どうだお前ら、まるで西部劇だろ?すげえだろ、ラピュタは本当にあったんだ。
いや、そうじゃなくてよ。
ジョン=ウェインかクリント=イーストウッドかってなところだ。最高潮と思われた米兵どもの興奮は、さらにヒートアップした。アメリカ人が天翔龍閃をぶっかましても、日本人はこれほど盛り上がりはしないだろう。さすが多民族国家アメリカ。人は、解り合えるんだ。いつか時間さえも支配できるさ。あぁ、時が見える……。(んぁ?)
俺自身も脳内麻薬出っぱなしで、疲れも感じずばかばか撃ちまくる。
「狙い撃つ。狙い撃つぜ!」
ロックオン=ストラトスと呼べてめえらぁ!!!
クリアに1時間半ほどもかかる「ニューヨークキャプター」。だが、米兵どもはずっと俺のまわりから離れなかった。いよいよ、1000万点が近付く。
最後の一体。俺は、銃をふっとあげ、狙い定めてそいつの脳天を撃ち抜く。
瞬間、ゲームクリアのメッセージが画面に浮かび、全く同時に後ろのデカブツどもが叫ぶ。「うおおおおおおぉぉぉぉおぉおお!!!!」
拍手と歓声の中、俺は画面にイニシャルを刻んだ。「E・A」と的を撃ち抜き、向き直ると、そこには国家も人種も超えたにわかゲーマーどもがガッツポーズで俺を迎えてくれたのだった。俺も、それに右手を高々と上げて応える!
つーかよ、これってゲーセンにしてみれば迷惑だよな。せっかくへたっぴの米兵たちがゲームでスってくれに来てンのに、俺のプレイに1時間以上も全員釘付けになっちまったんだからなぁ。
さらに迷惑なことに、入り口付近にでかい異人が集団で「うおーううおー!!」吠えてたら、ヤクザでも入ってこれねぇんじゃねーかコレ?
まるで、映画のワンシーンのように、ゴリラのような男どもに花道を作られ、そこを悠然と歩く飛鳥。ゲーセンを出ても、奴らは中から俺に拍手を送る。振り返り、拳を突き上げて男どもに応え、俺はその場を去った。
いやあ~~~~
あんな興奮って、なかなか無いね!日本野球界のスターがアメリカを目指すのは、コレを味わいたいからなんじゃないか??とにかく、奴らはところ構わずなのだ。素晴らしいものには本当に全身で賞賛する。言葉も通じない連中だというのに、その熱い心は俺のベストの力を引き出した。俺が自分の存在を最も強く感じたのはこの時だったと言ってもいい。
日本人に、こんな風に取り囲まれたことなんてないもんなあ……。
一度、360度全方位どっからみてもヤクザ屋さんという男に声をかけられたけどね。
「兄ちゃん、よかったらよ、一度俺らの事務所きてみんかい?」
と名刺出そうとしやがってね。
「んぁ?自分、高校生ですけど。」
「あぁ!?じゃ学校いってんのか!それじゃ無理だわなあ。すまんな兄ちゃん。」
…………おい。一体、俺を何歳だと思ったんだ……?
いや~飛鳥エイジ、「ヒットマン」にされるとこでした。いや、今となってはその方が幸せだったかもしれんね。それが何かの間違いで教師になんぞなっちまったからこのザマだ。
なあ米兵ども。俺のこと覚えてたら、T田ってぇクソクズ野郎のどたまにディジーカッターぶち落としてくれねえか?あ、そんなことしたらN町からA町あたりまで更地になっちまうな。罪もない人々を巻き込むわけにはいかない。第一、あんな金八なり損ない消滅させるのに、燃料気化爆弾などもったいない。BB弾くらいで十分だ。
今、あの連中はどうしているんだろうか……
不思議なモンだね。誰か、調べられる人いないかね?テレビ局とかよ。昭和60年くらいに、仙台港に入港して話題になった米軍艦船の乗員なんだけど。
あ、俺をスカウトしたヤクザは見つけなくていいです。
ホントに、まるでドラマでしたな。
他にも、ゲーセンでの「ドラマ」がいくつかあるが、これほど熱いものは他に無いね。
そんなわけで、「飛鳥エイジVSアメリカ軍人」
コレにて閉幕☆
追伸 海兵隊って、「海」付くぐらいだから海軍だと思うんだけど、その辺詳しい人、教えてくれません?違うって聞いたこともあったようなないような……なんで
2007年11月27日
日記というやつは
警察は俺の日記から、強姦は有り得ないとした一方、数千に及ぶマチに関する記述から僅か二カ所、性的な表現を見つけ出し、俺が「単に自己の性欲を満たすため」マチに近付いたと無理矢理こじつけた。まぁそれも、検察が前例無視の再逮捕やらかして、「何が何でも飛鳥の事件を大きくしろ!」とでも指示したのだろう。
頭くるねぃ……
で、飛鳥の日記には、出来事ばかりでなく、レシートなどの、日時場所を特定し証明する資料が山と残されている。
真館の写真のように、重大な事実を客観的に判断できるものが、主張一つ一つに存在する。
人事委員会は目が見えないか字が読めない輩だったようなので、今度は「まともな人々」に判断いただきたい。
次の本館記事にも、画像がたくさん入るだろう。
真館にはさらにそれらを補完する、ありのままを上げていく。
高校総体の期間中
何が俺たちの間にあったか
ストーカーだの強要だの
ふざけんじゃねぇよ!!
で、昼はマックのグラコロ
さぁ後半戦いくぜ
2007年11月27日
薬漬けだぜ……
一度に6種類飲まなきゃならん生活。ま、数日ですけどね。
しかし、いまインフルエンザのワクチン接種多いんですね。昨日病院にいた1時間ほどの間に10人くらい来てましたよ。
さて、本館、真館更新してます。
本館の方は「一週間」のトピックをだらだらと。
真館のタイトルは「筆跡鑑定」となってます。
メンバーさんは、ぜひ鑑定士になってみてくださいな。
まあこれだって100%偽造ではないとは言えないですけど、何にもないよりは説得力ありますからね。
2007年11月26日
本編3-9 BUMP OF CHICKEN 女子高生マチ!?
マチとYメッセで語り合ったその次の日。
平成14年7月21日は、俺がマチの願いに応える日だった。
M県T尻町体育館で、今日、中学校剣道県大会が開かれる。マチの片思い相手である尾山が、その大会に出場するのだ。
5月からやり取りしていたメールの中で、マチは俺にこの日のことを相談していた。
「T尻町なんですけど……マチは行ったことないし……。ヤツ(マチは尾山のことをこう呼ぶ)が出てるから行きたいんですよ……。」
本当にマチは尾山が好きでたまらないらしい。
「なら、俺と一緒に行くか?」
「ホントですか!?マジお願いします!!」
こんな感じで即決よ。マチの役に立てることは嬉しかったが、マチがそこまで恋い焦がれる尾山という男を直に見てみたいという思いもあった。
当日朝。8時過ぎのT本線くだりK田行きの列車に、俺は陸前S王駅から乗り込んだ。約束した車両の座席に、マチはいた。さりげなく前に立った俺に、マチが話しかけてくる。
「おはようございます。今日はよろしくお願いします。」
ちょこんと頭を上げる仕草が、なんとも愛らしい。
マチは笑うと唇の端がちょっと上がる。いや、それは当たり前なんだが、マチの場合は、本当に端だけがちょこっと引っ張り上げられるようにして、表情が出来上がるのだ。決して(当時は)万人が振り向くような美少女ではなかったマチだが、俺はその、小動物が「んっ?」とこちらを見つめるようなマチの表情が大好きだった。
車中、マチが突然一枚のCDを俺に差し出した。
「ん?なんだ?」
「これね、マチが大好きなグループのアルバムです。先生に元気になってもらいたくて。よかったら聞いてみてください。」
「ん、ありがとうマチ。俺は音楽系は疎いが、聞かせてもらうよ。」
「イイと思いますよ。マチは気分が沈んだときはこれですから!」
そのCDは、赤が目立つジャケットだった。なになに……「FLAME VEIN」…フレイム=ベインか。
グループ名は……「BUMP OF CHICKEN」
芸能系さっぱりの俺にとっては、全く聞いたことのない名だった。しかし、マチが持ってきてくれたというだけで俺にとっては特別なものだ。帰宅したら、早速聴いてみよう。
S台中学校の制服姿は見慣れていたが、列車というシチュエーションのせいか、なにやらとても新鮮に見えるマチだった。スカートを短くすることもなく、なんともまじめな女子中学生をしている。これでメガネでもしていたら、360度どこからみてもおとなしい文学少女だ。
1時間ほどの列車旅。
目的地に到着した俺たちは、並んで尾山のいる体育館に向かった。
体育館入り口でのマチは、もうすっかり挙動不審者だった。あたりをきょろきょろ見回して落ち着きがない。このままでは入館する前に補導されちまうわ。
「もちっと落ち着け!!一緒にいる俺が疑われちまうぜ。」
まったくだ。端から見ると、どう見ても堅気とは思えない男が、女子中学生を脅して拉致しようとしているようにさえ見える。
「あ、その、ごめんなさい、けど、え、」
……日本語になってねえ。
中にはいると、夏の日差しに温められた密閉空間のむっとした空気が体にまとわりつく。まあ、これは仕方ないよなとマチのほうを見ると……あ?いねえ!
「ごめんなさい先生!着替えてきます!!」
なんか、はるか彼方にいるんだが……。」って、おい!!着替えるってなんだ!?
一人ぽつんと投げ出された俺は、仕方なく観客席の一番上の手すりにもたれ掛かってマチを待った。
しばらくすると、入り口の階段付近を跳ねるように駆け上がってくる元気な少女が見えた。目立ちすぎだ……。いくら心身共に元気いっぱいのマチとはいえ、この雑踏の中瞬時に発見できるほどオーラをまとっている。
しかし……
あ?
なんだ!?
あれはマチか?いや、しかしあれはどう見ても……。
ビデオを回していた俺は、ファインダー越しに不思議なものを見た。マチは、県立T高校の制服姿で駆けてくるのだ!
むう、似合い過ぎだ!ややメイクした顔は、ぱっと見カンペキに女子高生となっていた。
「何撮ってるんですかー!」
俺のカメラを手で押さえながら、マチは笑った。
「い、いや、マチ、その格好は?」
「あ、これ?姉から借りてきたんです。無断で。」
それは借りたとは言わん。
「や、無断も問題だが、俺はその格好の理由が聞きたいんだが。」
ふと、悲しそうな表情をみせたマチは、無理に笑顔を作るようにして俺に話した。
「実は……ヤツから『来るな』って言われてるんです。S台中学校の制服だと、一発バレでしょ?だから、変装です!」
いや、変装って……。しかし、マチがそこまでして見たいという尾山とは、一体どんな男なのだろうか。俺はますます興味をそそられた。
俺の隣で、同じように手すりにもたれたマチは、じっとアリーナを見つめていた。マチも俺も視力がいい。選手一人一人の顔は余裕で見分けがついた。
そして、マチはあっという間に尾山を見つけた。
「先生!アレです!あの背の高いの!!」
みると、170㎝以上はゆうにあろう面長の剣士が素振りをしている。前垂れに「尾山」と入っている。間違いない、あの男だ。
確かにイイ男だが、マチがそこまで入れ込むほどではないというのが素直な感想だった。それでも、マチはあの男にどうしようもないほど恋している。
尾山を見つめたまま、マチはもう、俺が隣にいることさえ忘れたようにじっと固まってしまっていた。
俺は、それを声もかけずに見守った。
今日は、マチのボディーガードも俺の役目よ。つまらねえ虫は一匹たりとも寄せつけねえさ。
そんな中、俺はマチの表情にはっとした。
泣いて、いるのだ。
涙は流していない。だが、マチは間違いなく泣いていた。その瞳には、例えようのない悲しみが浮かんでいる。
マチよ、どうしてそんな顔をしているのだ?
俺の前で幾度か見せた、あの泣くような笑うような不思議な表情の、「哀」だけが絞り出されたような悲しみの顔。ただの片思いではないという俺の予感は的中しているのかもしれない。
仕事柄、俺は中高生の恋の相談も数多く受けていた。だが、マチのように必死で追いかけながら、恋い焦がれる男をこんな悲しい目で見つめる少女は初めてだ。
どうも……ただの恋ではないようだ、これは。
その日は昼飯もとらず、午後4時までマチはずっと尾山を見つめ続けていた。途中、高校生風のチャラチャラした男二人がマチに近付こうとしたが、大事には至らなかった。いや、もちろん彼らが、だが。もう一歩無神経に踏み込んでいたら、二人まとめて深く反省してもらうことになるところだった。まあ、それほどにマチの女子高生スタイルは様になっていたし、普段の中学制服姿より格段に魅力的だった。
しかし、朝からもう6時間以上も俺はマチの傍に立ち続けていた。我ながら、馬鹿だと思う。
マチの瞳には、片思いの相手、尾山しか映っていない。
それでも、俺のために泣いてくれたこの少女の願いのために、今できることの全てを、してやりたい。
大会は終了した。マチの目は、アリーナから退場する尾山の後ろ姿さえ、一瞬も見逃すまいと追い続けた。
帰り道、目の前に水田が広がるのどかな駅で、俺はマチに尋ねた。
「マチ、そんなに好きなのか?」
我ながら、ど直球な問いだ。
「うん、あり得ないほど好き。」
これまたど真ん中160㎞のストレートだ。なんとも、俺たちらしい会話だ。
「そうか……。その思い、通じるといいな。」
「あのね、イイ友達にはなれると思うんです。一緒に帰ったりするし、生徒会で一緒の時なんかは、優しくしてくれるんですよ。」
尾山もまた、剣道部主将であり、生徒会役員であった。
「なら、告っちまえよ。マチなら大丈夫だって。尾山もマチの気持ちにはそれなりに気付いてんだろ?こんなとこまで追っかけてくるなんて、普通じゃあり得ないだろが。」
「うん……、それは……」
おかしい、愛する男の話なのに、その悲しそうな顔はなんだ?ただ片思いということではない。何かもっと別の……どうしようもない寂しさや切なさがマチの顔に浮かぶ。俺は、そのマチの翳りの理由がわからず困惑した。
「ごめんなさい。今日は嬉しかったです。ありがとうございました。」
無理に笑うマチ。この子に、こんな顔は似合わない。いつか、マチの一番の願いが叶い、正真正銘のマチの笑顔が見られるのだろうか?
夜、「フレイムベイン」を聴いた。「ガラスのブルース」という、ネコの歌がやけに心に刺さった。
そのネコは、死んでしまう。必死に生きて、死んでいくネコが羨ましかったのかもしれない。あるいは、尊敬していたとも言えるか?
「いいでしょ!やっぱBUMP 最高ですって!!」
マチは、いつもの元気を取り戻していた。
ありがとう、マチ。いつか、尾山への思いが通じると、いいな……。
この頃から、俺は「歌う」ようになっていた。「ガラスのブルース」に登場するネコ、ニコルのように。
本編3-10 一人歩き同行「三人」~飛鳥の遍路は、マチを連れて に続く
2007年11月26日
やべえ~なこれ
やることは山のようにあるのに、オフィシャル&プライベートともに時間が少なすぎる。
通常は、ブログに手をつけなければいいということになるんだが
飛鳥の場合は、これがある意味「メイン」だからなぁ。仕事は、これを続けるための収入を得る手段であるから。
年末の「企画」も、まったく進まない。なんとかしないと……。
このタイミングだけは外せないから。
人の一生ぶち壊した奴等に、それなりに反省してもらわないとならないので、ね。
ちょい疲れと体調不良で神経ピリピリしてますね飛鳥エイジ……。腹もずっと痛いし。
これが何か重大な病だったら、関係者どもは喜ぶんだろうけど、逆だからな。
悪党どもが……
なんてね
まだ死ぬわけにはいかないから病院も行くけど、どうなんだろう?
幸せになりたいが、復讐を忘れてということはとても出来ない。
語りの果てにあるものは、なんだろうね?