千葉放送局

2008年7月7日 18時57分更新

銚子市立病院休止へ


医師不足の影響で患者数が落ち込み、経営難に陥っていた銚子市の市立病院がこの秋で診療や入院の受け入れを休止することになり、市民からは、地域医療の要がなくなることに不安の声が上がっています。

昭和26年に設立された「銚子市立総合病院」は、16の診療科を持ち、ベッド数がおよそ400と地域医療の中心を担ってきましたが、医師不足の影響で一部の診療科で常勤の医師が確保できないなど十分な診療が行えなくなり、患者数が減少し、経営が悪化していました。

銚子市は昨年度、15億円を支出して病院の赤字を穴埋めし経営を継続してきましたが、市が民間の会社に委託して再建策を検討した結果、現状のままでは経営を建てなおすメドが立たないとして、ことしの9月末で診療や入院の受け入れを休止することを決めました。銚子市は現在、入院している患者159人については転院先を探すとともに、経営を民間の業者に委託して再開できないか探ることにしています。
銚子市の岡野俊昭市長は、「このような事態になり重い責任を感じている。患者の転院先の確保については全力をあげて取り組み、市民の不安解消に努めたい」と話しました。

銚子市に住む女性は、「市立病院では孫も生まれ、自分も通院しています。身近に大きな病院がなくなると子どもが急な病気になった時など不安がいっぱいです」と話していました。
銚子市立総合病院が休止することについて千葉県の堂本暁子知事は「県としても病院を継続できるよう医師の確保などに協力して取り組んできたが、医師不足や経営悪化の流れを止められず大変残念だ。県として至急、救急患者などの受け入れについて医師会や関係する医療機関と協議していきたい」というコメントを出しました。