益田市内の診療所「おちハートクリニック」が採血器具の針を使い回ししていた問題で、同診療所は23日、今のところ使い回しによる肝炎ウイルスなどの感染者は出ていないとの検査結果を発表した。同診療所では対象者に対して、今後1年間にわたって継続的に検査を実施していく。
器具は、6本の針が内蔵されているドラム式で、使うごとに手動で回して新しい針に取り換えるタイプ。同診療所では、針が自動的に交換されると勘違いし、3月28日から4月30日までの間、同じ針を37人の患者らに使い回ししていた。今回の検査は、37人を対象に5月26日から6月16日まで行われ、全検査者に肝炎の発症は認められなかった。
県の指導を受けて同診療所では医療安全マニュアルなどを作成、医療安全委員会を定期的に開き、再発防止に務めているという。会見せず、代表取材に応じた越智弘院長は「器具を使用していた段階では感染の可能性を考えていなかった。私の医療安全に対する管理がずさんだった」と述べた。【児子勉】
毎日新聞 2008年6月24日 地方版